イマニュエル・ウィルキンスのセカンドは、内角高め162キロの豪速球!
Immanuel Wilkins’ second album is a powerful fastball with a high inside corner of 162 km/h!
Immanuel Wilkins / The 7th Hand / 2022
Alto Saxophone – Immanuel Wilkins
Bass – Daryl Johns
Drums – Kweku Sumbry
Piano – Micah Thomas
Flute – Elena Pinderhughes (Tracks: 5, 6)
Farafina Kan Percussion Ensemble:
Kweku Sumbry (Lead Djembe & Bass Djembe), Agyei Keita edwards (Lead Djembe), Adrian Somerville Jr. (Sangban), Jamal Deckerson (Doundunba), Yao Akoto (Kenkeni)
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Abstract / アブストラクト度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
さて、きょうはガツンといくよ。
ブルー・ノートの若きホープ、イマニュエル・ウィルキンスのセカンド・アルバム。
もうね、これは新時代のスピリチュアルあるいは聖典。
ジャケットから、ただ事ではない。
彼のアルバムに対するコメントを挙げると、
「曲の終わる頃にはカルテットが完全に器になるための準備曲を書きたかった」
↓
「私たちが演奏している音楽に実際に影響を与えている崇高な力として、音楽の導管になるという考えです」
↓
「6という数字が人間の可能性の範囲を表しているとすれば、神の介入を呼び起こして7番目の要素を自分のカルテットに持たせることはどういうことなのか、どのように聞こえるのか、と考えた」
↓
「南部の黒人の洗礼をリミックスしたかったし、何が聖なるものとされ、誰が洗礼を受けることができるのかについても批評したかったのです」
↓
「最後の楽章では、1つの音符だけで構成されています」
↓
「私たちが目指しているのは、音楽が私たちの中を自由に流れることができる「無」です」
ということらしい。分かった? 全然分からないよね。
分からないけど、
なんだか神がかった演奏なのかだけは、よく分かる。
ただ者ではないというか、ただ事ではない感じ。
メンバーは、評価の高かったファーストとまったく同じ布陣。
ベースのダリル・ジョンズ、ピアノのミカ・トーマス、
ドラムのクウェク・サンブリー。
各自の力そして結束も、いっそう強固に感じられる。
そして、2曲フルートで参加してるのは、
トランペット、クリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアーのグループで活躍するエレーナ・ピンダーヒューズ。彼女が最高だ。
それから、西アフリカのファラフィーナ・カン・パーカッション・アンサンブルも、
1曲参加している。
このアルバムで聴けるのは、新時代の4ビート、新時代のグルーヴ、
そして、新時代のスピリチュアル・ジャズ。
1曲目からバンドのパッションが爆発するけど、
それ以降、比較的ゆるやかに美しく流れる。
後半ラスト2曲でまた尋常じゃない盛り上がり。
いったいどうなってるの ?! な各自の取り憑かれたような技がみられる。
特にクウェク・サンブリーのドラミングに唸りまくる。
どこまでも真摯で、優しく、激しく、正直な音楽。
現代の求道者、イマニュエル・ウィルキンス。
そういえば、2021年のベスト・アルバムとして選んだ
ジョナサン・ブレイク “ ホームワード・バウンド ” でもブリブリ吹いていたのがウィルキンスだ。当分、彼からは目が離せない。
というか、彼が参加するアルバムは、すべて要チェックだ。