穏やかさ優雅さを纏った新生アヴィシャイ・コーエン・トリオ!
The new Avishai Cohen Trio, clothed in serenity and grace!
Avishai Cohen / Shifting Sands / 2022
Bass, Producer – Avishai Cohen
Drums – Roni Kaspi
Piano – Elchin Shirinov
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
きのうのティグラン・ハマシアンの紹介で「新たな血が掛け合わされてジャズはさらなる進化を遂げる」なんて書いた。
そういう意味では、その最右翼だった人がきょうのイスラエル出身ベーシスト、アヴィシャイ・コーエン。ひさびさのピアノ・トリオだ。
メンバーは、ピアノがイスラエルならぬアゼルバイジャン人ピアニスト、エルチン・シリノフ。そして21歳の女性ドラマー、ロニ・カスピ。
アヴィシャイ・コーエンの人選だから並な人でないことは確か。
なるほど、シリノフは、独自の世界を持ってるし。
カスピの音も美しくてすばらしい。
全編を通して、アヴィシャイ・コーエンらしいエキゾティシズム、哀愁は健在だけど、以前よりもアクがヌケたというか、いい意味で強靱さ、苛烈さがマルくなった気がする。
コーエンも今年52歳、円熟味をおびてきたと見るべきかな。
以前に比べて優雅さや穏やかさを身につけた感がある。
もちろん力強いグルーブ、エレガントなメロディライン、見事に歌うベースソロは健在で、最初から最後まで、いい気持ちに唸らせる。
強い民族調が疲れると、アヴィシャイ・コーエンを好まなかった人たちにも選ばれそうなアルバム。それにしてもコーエン、いい曲を書く。
このピアノ・トリオというシンプルな形こそ、
アヴィシャイ・コーエン・ワールドの最も際立つ舞台だと、
つくづく感じさせてくれる名盤、いいトリオだ。