満を持して世界へと漕ぎ出し始めたポルトガルの巨匠の野心作。
Ambitious work by a Portuguese master who has begun to row out into the world with his full potential.
Mário Laginha / Jangada / 2022
Piano – Mário Laginha
Bass – Bernardo Moreira
Drums – Alexandre Frazão
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Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
きのう一昨日取り上げたヤニフ・タウベンハウスについて、
“ ヨーロピアンなエレガントを纏いながらも何か違う ” と書いた。
ということで、“ ザ・ヨーロッパ ” な雰囲気のアルバムを取り上げたい。
常に気になるアルバムをリリースするレーベル “ Edition Records ” より、
ポルトガルの至宝、ジャズ・ピアニスト/作曲家のマリオ・ラジーニャ。
ピアノトリオで、ベースはベルナルド・モレイラ。
ドラムは、アレクサンドル・フラザォンというメンバー。
なかなか太くていい音を出すモレイラ、
美しく繊細で切れのいいフラザォンのドラミングとリズム隊も文句なし。
ショパンを思わせるクラシック風の清冽で抒情たっぷりなピアノ。
フレーズから匂い立つエレガンスが魅力。
ジャケット・デザインからアフリカンな匂いがするけど、
それらをあえて感じられるのは、5曲目くらいだろうか。
“ Jangada ” とは筏の意味。
流木の破片を拾い集め、それらを束ねて全体を形成するという語源を持つ言葉。
アフリカだけではなくブラジル、インド、アフリカ、ポップス、ロック、クラシック、ジャズなどマリオ・ラジーニャが触れてきた様々な音楽のエッセンスが繋ぎ合わさり一つになっっているという意味合いらしい。
満を持して世界へと漕ぎ出し始めたポルトガルの巨匠の野心作。