フィリップ・バーデン・パウエル率いるカルテット“ルデーリ”、現代屈指のジャズ・カルテット。
Philippe Baden Powell leads the quartet “Ludere”, one of the best jazz quartets of our time.
Ludere / Live at bird’s eye / 2019
Piano – Philippe Baden Powell
Trumpet – Rubinho Antunes
Bass – Bruno Barbosa
Drums – Daniel de Paula
++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆☆
Relaxing / まったり度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
火曜、水曜とパリ繋がりで来たので、
本日はもう一人思いだしたパリ在住の人、
ピアノのフィリップ・バーデン・パウエル率いるカルテット“ルデーリ”。
フィリップは、そうあのブラジルの偉大なギタリスト、バーデン・パウエルの息子だ。
『悲しみのサンバ』など、哀愁漂う音色で日本にも多くのファンをもつブラジリアンギターの巨匠バーデン・パウエル。
バーデンには忘れ形見が2人いる。長男のフィリップ・バーデン・パウエルと、弟のマルセル・パウエルだ。2人ともミュージシャン。
マルセルは、父と同じギタリストの道を歩み、故郷のリオ・デ・ジャネイロを拠点に活動。
そしてピアノを選んだ兄のフィリップは、生地であるパリで暮らしている。70年代から80年代にかけて、バーデンがヨーロッパを拠点にしていたため、幼いフィリップもフランスの他にドイツなど欧州各地で暮らし、母国語のポルトガル語、フランス語のほかに、英語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語を操るマルチリンガルだ。マルチなのは言語だけでなく、ピアノ以外にギターやドラム、コントラバスなど楽器は一通り弾きこなすし、ブラジリアン柔術の有段者。
ダンスは踊れるし料理も得意と、稀にいる「天は何物も与えた」タイプの御仁だ。
現在は、ソロピアニストに加え、ブラジリアンカルテット『LUDERE』やアルゼンチン人ギタリスト、セシリア・サバラとのデュオ『FRONTERAS』等、ミュージシャンとしての活動の傍ら、パリにある音楽学校『ビル・エヴァンス・ピアノアカデミー』で、講師としてピアノクラスやMPB(ブラジルポピュラー音楽)のアトリエを受け持っている。
(いつもお世話になってる Musica Terraさんより抜粋)
パリを拠点に活動する彼が率いるカルテット“ルデーリ”。
“ルデーリ”の残りのメンバーはブラジリアンで活動の中心もブラジルだ。
そして、このアルバムはそんな彼らのスイス・バーゼルでのライブ盤(ややこしい)。
メンバーは、リーダーでピアノのフィリップ・バーデン・パウエル。
トランペットのルビーニョ・アントゥネス、
ベースが、ブルーノ・バルボーザ、
そして、ドラムのダニエル・ジ・パウラという構成だ。
4人は、恐っそろしくハイレベルな技術の持ち主。
しかし、持ち前のメロディセンス、
アンサンブルの美しさ、あまりにも余裕な演奏ぶり、
あるいは、ブラジリアンらしい楽曲の明るさなどから、
特にスタジオ録音盤だと、心地よくてうたた寝したくなるようなサウンド。
しかし、このアルバムはライブということもあり、
いつにも増して、生々しさ、熱さが伝わってくる内容で、もう大満足。
ルビーニョの優しい音色のトランペットとからむフィリップのピアノが表看板だけど、
よく聴くと、さらっととんでもないこと演ってるダニエルのドラミングがオイラの大好物だ。
それぞれの高い技量を十二分に出しつつも、
美しいアンサンブルで聴かせることを忘れない現代屈指のジャズ・カルテット。