高瀬アキ70歳のバースデイ・ライヴは、思いっきりアバンギャルド!
Aki Takase’s 70th birthday live was just avant-garde!
Aki Takase Japanic / Thema Prima / 2019
Piano – Aki Takase
Bass – Johannes Fink
Drums – Dag Magnus Narvesen
Saxophone – Daniel Erdmann
Turntables, Electronics – DJ Illvibe
火曜日に紹介したドイツのジャズ・アワード “Deutscher Jazzpreis”。
こちらは、2021年に新設されたアワードだけど、
その記念すべき第1回目にピアニスト部門で受賞したのが、高瀬アキだ。
(彼女は同年、歴史あるアルバート・マンゲルスドルフ賞も受賞している)
高瀬アキは、80年代からベルリンを拠点に活動しているが、
現在も精力的に創作とライヴ・パフォーマンスを繰り広げている。
このアルバムは、2018年にそんな彼女の70歳の誕生日を祝うために、
ブダペスにて若い世代のメンバーと組んだクインテットでの演奏を録音したものだ。
メンバーは、ベースのヨハネス・フィンク、
ドラムのダグ・マグナス・ナルヴェセン、
サックスのダニエル・エルドマン、
そして、なんとターンテーブリストDJ Illvibeことヴィンセント・フォン・シュリッペンバッハ(名前からして息子かな、彼女のパートナーはピアニスト・作曲家のアレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ)というメンバーだ。
内容が、まず斬新だ。
DJが演奏するサンプリング音あるいはターンテーブル効果音の使用と相まって、
いままでに聴いたことないサウンド。
都市のサウンドスケープのようでもありながら、
彼女の強靱なピアノは、暴走列車さながらグイグイと突っ走る。
クインテットなのに、あたかもラージ・アンサンブルであるかのような、
迫力と音圧を感じるサウンド。
そして、時折見え隠れするリリシズム。
彼女の活躍は、この “Japanic” のほかにも、ソロでの活動、
トリオでの演奏、ヴォーカルとのユニット、オペラ音楽など多岐にわたる。
70歳侮り難し。