オマール・ソーサ、波のようにうねるグルーブと繊細なアンサンブルのクールネス!
Omar Sosa, wave-like undulating grooves and delicate ensemble coolness!
Omar Sosa / Eggūn / 2013
Omar Sosa & Afri-Lectric Sextet:
Keyboards – Omar Sosa
Drums – Marque Gilmore
Bass – Childo Tomas
Trumpet – Joo Kraus
Alto Saxophone – LeandroE Saint-Hill
Tenor Saxophone – Peter Apfelbaum
Guests:
Electro-Acoustic Guitar, Vocals – Lionel Loucke
Guitars – Marvin Swewll
Afro-Cuban Percussion – Pedro Martinez
Clave, Chekere, Waterphone, Panderetas, Tambora, Guiro, Quijada – John Santos
Afro-Venezuelan Perucussion (Quitiplas, Culo e Puya, Maracas) – Gustavo Ovalles
今日は、きのう紹介のアルバム参加のキューバのピアニスト、オマール・ソーサのアルバム。
ソーサは、ジャズとアフロ・キューバンを軸に、アフリカ音楽やヒップホップを取り入れた作風のベテラン・ピアニスト。
このアルバムは、マイルス・デイヴィス「カインド・オブ・ブルー」へのオマージュ的内容だが、西アフリカで祖先の精神を意味する『エグン』というテーマで、無限の音楽表現への解釈や希求が展開されている。
2009年、バルセロナ・ジャズ・フェスティバルが、「カインド・オブ・ブルー」50周年に際して、オマール・ソサにトリビュート作品を依頼した際に構想された作品らしい。
パーカッションは全編にわたって多用されるけど、出だしはアフロ・キューバンというよりモーダルなクールネスに貫かれている。
特にモザンビーク出身のベーシスト、チルド・トマスの静かながらも大きくうねる波のようなベースラインが特徴的で、静かな中にも洗練された静と動、緊張と弛緩、穏やかさと熱が感じられる演奏だ。
パーカッション群とベースライン、そしてドラムの織りなすグルーブが心地よく、ラテンと言うよりジャズあるいは現代音楽さえ感じさせるソーサのピアノが独自の空気を創りだす。
さらに、ゲスト・ギタリストのリオネール・ルエケが彩りを添える。
静謐かつ繊細なるアンサンブル、“Afri-Lectric Sextet” という名前からして、まずクールだ。
正月休み、暖かな部屋でゆっくり読書をするのにピッタリなサウンドだと思うけど、いかがだろう。