2022年のマスターピース!

Theo Croker / Love Quantum / 2022
セオ・クロッカー / ラヴ・クオンタム / No.5012

ジャズではなくトライバル・ホップ、セオ・クロッカーの音楽は、まだまだ進化を止めない!
Tribal Hop, not jazz, Theo Crocker’s music has yet to stop evolving!

Theo Croker / Love Quantum / 2022

Trumpet, Flugelhorn, Piano, Electric Piano, Vibraphone, Rap, Voice,
Drum Programming, Synthesizer, Moog Bass, Sampler, Composed By, Arranged By, Produced By – Theo Croker
Piano – Michael King (Tracks: 1, 2, 8)
Organ – Michael King (Tracks: 8)
Keyboards – Michael King (Tracks: 9)
Electric Piano – Michael King (Tracks: 3, 6), Paul Cornish (Tracks: 4, )
Synthesizer – Michael King (Tracks: 11)
Organ, Electric Piano, Percussion – Dario Rojo Guerra (Tracks: 7)
Acoustic Bass – Eric Wheeler (Tracks: 2, 3, 6, 9, 10, 11)
Electric Bass – Budda Foster (Tracks: 4, ), Rick Leon James (Tracks: 8, ), Eric Wheeler (Tracks: 8)
Alto Saxophone – Gary Bartz (Tracks: 2)
Alto Saxophone, Tenor Saxophone – Anthony Ware (Tracks: 9)
Drum Programming, Synthesizer, Electric Piano, Instruments – D’Leau (Tracks: 2, 9, 11)
Drums – Shekwoaga Ode (Tracks: 2, 8, 10), Jonathan Pinson (Tracks: 4,), Chris Dave (Tracks: 5,), Kassa Overall (Tracks: 6, 7),
Cymbal – Shekwoaga Ode (Tracks: 11)
Rap – Kassa Overall (Tracks: 2)
Vocals – Gary Bartz (Tracks: 2)
Violin, Viola – Jasminfire (Tracks: 3)
Vocals, Lyrics By – Jill Scott (Tracks: 3)
Vocals, Lyrics By – James Tillman (Tracks: 4)
Vocals – Jamila Woods (Tracks: 7)
Backing Vocals – Dirg Gerner (Tracks: 7)
Lyrics By – Dirg Gerner (Tracks: 7)
Vocals, Lyrics By – Teedra Moses (Tracks: 8)
Lyrics By – Jessica Care Moore (Tracks: 9)
Vocals, Backing Vocals, Lyrics By – Ego Ella May (Tracks: 10)
Backing Vocals – Ego Ella May (Tracks: 10)
Vocals – Wyclef Jean (Tracks: 11)
Backing Vocals – Alita Moses (Tracks: 11)
Rap – Wyclef Jean (Tracks: 11)

さて、きのうに引き続いて “Black Radio” 的1枚を。
これは昨年リリース、トランペッター・セオ・クロッカーの最新作。

グラミーにもノミネートされ評価の高かった前作の路線をさらに押し進めて、
トランペッターというよりも自身の世界を追求した作品。

ほとんどの楽曲がヴォーカルあるいはヴォイス、ポエトリー・リーディングあるいはラップが入ったジャズとヒップホップ、ソウルなどが渾然一体となった現代的最先端ブラック・ミュージック、つまり“Black Radio” 進化形な1枚だ。

オイラは、あまりヴォーカルものを聴かない(アコースティックにはこだわらないし、4ビートにもこだわらない派だけどヴォーカル主体だとあまり聴かない)旧世代なので、このアルバムは取り上げなかった。

でもね、セオ・クロッカーのつくるグルーヴの気持ちよさは、よく分かってるつもりだし、
むしろ、かなりフェイヴァリット。

今作も、そういう意味では間違いなくクールな1枚だ。
ジャケット・イラストも前作に続き Tokio Aoyama と来た!うれしい。

現代ミュージシャンの御多分に洩れずマルチにいろんな楽器や、電子楽器、機材をこなし、楽曲作り(この場合、トラック作りといった方がいいかな)にも大いなる才をみせるクロッカー、この作品ではよりプロデューサー的手腕を大いに発揮している。

欲を言えば、もっとトランペットを吹き散らしてほしいのだけど、
いやはや、どのトラックもかっこいいし、のっけからため息が出るような美しさと洗練を感じる。

そして、彼の音楽は一聴して心地よいポピュラー・ミュージックのようでありながら繰り返し聴いても新たな発見をもたらす不思議な魅力を含んでいる。

ヴォーカルものが多いこのアルバムは、楽曲ごとに多くのゲスト・ミュージシャンが参加してるけど、なかでも特筆すべきはクリス・デイブの参加。
アニキ的存在だとするクロッカーとの共作はダンスナンバー “COSMIC INTERCOURSE (Pt. II)”。
彼らは、この曲をTribal Hop(トライバル・ホップ=部族音楽+ヒップ・ホップ)と名付けているそうだけど、全編にわたってこのテイストが貫いている、超クール。

ポップでありながら示唆と啓示に満ちたリリック。
そして、心地よいのに拍をとることを拒むような複雑なリズム。
愛をテーマに、どこまでも潜り込める深淵と悦楽。

セオ・クロッカーの音楽は、まだまだ進化を止めない。

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