Jeff “Tain” Watts/ジェフ・テイン・ワッツ
– 1960年ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ –
“Tain/テイン” は、ケニー・カークランドから付けられたニックネーム。
バークリー音楽大学でブランフォード・マルサリスと出会い1981年にウィントン・マルサリス・カルテットに参加し華々しくデビュー。
それまでの職人的なジャズ・ドラマーと違い、あらゆるジャンルのプレイが可能な先駆け的ドラマー。
幼い頃からロック、ファンク、ブルースなど様々な音楽を聴いて育ちクラシックやジャズをベーシックな基礎として学んで育った世代の筆頭。爆発的なパワーとスピード、そして複雑なリズムのマスターであり変幻自在のドラミングが可能。比類のないテクニック、うねるようなスイング感、希有なエレガンスがもたらす表現力は多彩かつ優雅で、ジャズの革新者と賞賛される現役世代最高のドラマー。
Wynton Marsalis / Standard Time, Vol. 1 / 1987年
ウィントン・マルサリス / スタンダード・タイム・Vol. 1
マルサリス兄弟の躍進を支えた若きジェフ“テイン”ワッツの技を確認!
Check out the skills of young Jeff “Thein” Watts, the man behind the Marsalis brothers’ breakthrough!
Wynton Marsalis / Marsalis Standard Time, Vol.1 / 1987
Trumpet – Wynton Marsalis
Arranged By – Wynton Marsalis (Tracks: 1-10, 12)
Bass – Robert Leslie Hurst III
Drums – Jeff “Tain” Watts
Piano – Marcus Roberts
ジェフ・テイン・ワッツ・シリーズ、前回に引き続いてすすめていくと、
すなわちウィントン・マルサリス特集になってしまうんで、ちょっと端折ります。
(というかジェフ・テイン・ワッツ関連アルバムだけ続けても半年くらいもちますね)
とはいえ、このアルバムは外せない。
ドラマーのためのジェフ・テイン・ワッツのテクニックに関する解説、
タイム・チェンジあるいはメトリックモジュレーションについての例として、
しばしば登場するアルバムだから。
このアルバムは、1987年リリース。
ジェフ・テイン・ワッツ既に多くのレコーディング、6年のキャリアを経て貫禄すらある。
言わずと知れた名盤。
ウィントンもジェフ“テイン”ワッツもスタンダードと言いながら、
ぶち込む技の、その非スタンダード具合といったら、開いた口が塞がらない。
まあ、しかし冷静に聴くとけっこう優雅に楽しめる1枚。
思うに “Caravan” 、“Cherokee” あるいは、
異例の “Autumn Leaves” あたりのインパクトが強すぎて、
全体的に、そのテクニカルな側面だけが取り沙汰されてきたのかも。
しかしながら、36年経った今もなお鮮烈な印象があるのもまた事実。
しっかりとジャズの歴史にその名をとどめる名盤。