アフロ・ビートとコンテンポラリーの追求から生まれ落ちた果実。
The fruits of the pursuit of Afro-beat and contemporary jazz.
Marcus Strickland twi-Life / The Universe’s Wildest Dream / 2023
Soprano, Alto, Tenor Saxes, Bass Clarinet, Produced by – Marcus Strickland
keys, piano, organ – Mitch Henry
Bass – Kyle Miles
Drums – Charles Haynes
Guests:
Guitar, Vocals – Lionel Loueke(Tracks:2)
Vocals – Christie Dashiell
Dialogue – Ras Stimulant(Tracks:5)
きょうは、先週からの繫がりでサックス奏者マーカス・ストリックランドの作品を。
“Marcus Strickland twi-Life” とは、
ストリックランドのエレクトリック・ユニットというか、
ロバート・グラスパー的作品というか、
デリク・ホッジ的というか、
雑誌ブルータス風に言うと「Jazz is Pop!」的ユニットだ(なんだソレ!)。
まあ、いま風作品なんだけど、
アルバムもリリースを回を重ねるごとに力が抜けていってる感じがしていい具合だ。
“Christian McBride New Jawn” で見せるプレイが、
もっともジャズより、ハードコアな部分だとすれば、
このアルバムは、もっとも “ふだん着” とでも言うか、
毎日の生活に根付いた音楽なのでは、と感じる。
最初の何分かは、肩すかしを食らったようにもの足りないのに、
いつのまにかジワジワと気持ちのいいグルーヴに取り込まれてる。
もちろん、気持ちいいだけではなく、
じっくり聴くうちストリックランドの企みや、
精神性、音楽に対する実験性みたいなものが滲み出てくる。
まさしくスルメ盤的に楽しめる1枚だ。
ドラムのチャールズ・ヘインズ、
ベースのカイル・マイルズ、
キーボードのミッチ・ヘンリーは不動のメンバー。
それに、今回ゲストギタリスト、リオーネル・ルエケが彩りを添える。
オーガニック。
まるで植物の根のように、しなやか、かつ複雑にからむリズム。
そして神秘性、スピリチュアルな要素を感じさせながらも、
同時に抜け感と心地よさを感じさせる色彩と空間使い。
アフロ・ビートとコンテンポラリーの追求から生まれ落ちた果実、名盤。