Guitar player's albums

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Tyshawn Sorey / タイショーン・ソーリー/ No,005

ラーゲ・ルンドからの挑戦状、あなたのジャズ変態度を測るアルバム!
A challenge from Lage Lund, an album that measures your jazz metamorphosis!

Lage Lund / Most Peculiar / 2023年
ラーゲ・ルンド / テリブル・アニマルズ

Guitar, Composed By – Lage Lund
Bass – Matt Brewer
Drums – Tyshawn Sorey
Piano – Sullivan Fortner

≪ 現代ジャズドラマー列伝 タイショーン・ソーリーの巻 ≫ 第5弾。
ノルウェー出身のギタリスト、ラーゲ・ルンドの本年(2023年)のアルバム。

このアルバム、ジャケット・デザインが ↓前作と近いんで、出ていることに気づかなかった。

前作 “Terrible Animals” が、作風を大きく変えた作品だったけど、
本作は、その「変態具合」に大きく輪をかけている。

メンバーは3人不動でベーシストが、マット・ブルーワーに代わっている。
アルバムタイトルは “Most Peculiar” 。

“Peculiar” = (不快なふうに)妙な、変な、異常な、気の狂った、病気で、具合が悪くて

うむ、まさしく「変態」と言うのがふさわしい気がする。

オイラはここ1週間、毎日1回はこのアルバムを聴いている。
いいとか、素晴らしいとかではなく、
「違和感の正体を突き止めたくて」と言ったほうが正しい。

とにかく変なのだ。
だけどフリージャズの変とは、また全然違うもの。

よくジャズのアドリブソロで、アウトする(アウトフレーズ=コードのスケールにない音を使う)なんて言葉が使われる。

これは、アドリブソロをとる1人が外すからオモシロイと感じる。
でも、本作品ではメンバー4人がバラバラなのだ。

ただ、4人がいっぺんにバラバラだと、もう楽曲の体をなさない。
だから、1人あるいは2人がアウト(オイラに楽理の理解はないので、漠然とした表現)して、シンクロ率(こういう言い方しか思いつかない)がクラシックやポピュラー音楽が限りなく100%に近いと仮定すると、この音楽は50%〜85%くらいを行ったり来たりするような感覚で演奏されているのだ。

テーマもはっきり分かりやすくないし、
明らかに心地よさを否定してギリギリ際を攻めているというか、
微妙に違う曲が同時に流れてるような錯覚さえ覚えたりするし、
(特にベース音がはっきり聴こえない小さなスピーカーや小音量で聴くと)
ときに、ドラムまで違うリズムを叩いてる気さえしてくる。


「こいつら、いったい何やってんだ」とついつい聴き返してしまうジャズファン(オイラ)も十分に変態かな。だけどハマるよ、オモシロイ。

だから、ジャズ初心者には絶対聴かせてはいけないヤツ。
5分で「やっぱ、ジャズ無理」てなると思う。

ラーゲ・ルンドの野心作にして挑戦状!
あなたのジャズ変態度を測るアルバム。

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