そうだ!アリソン・ミラーも ≪ 現代ジャズドラマー列伝 ≫ に加えなきゃ!
ということで、昨日の作品を第1弾として、本日は第2弾。
Allison Miller / アリソン・ミラー
– 1974年、テキサス州テキサーカナ生まれ –
母方の家系に音楽家が多い。母親はクラシック・ピアニストで合唱指揮者。祖母はプロのオルガニストで、その妹はプロの歌手だった。
アリソンは10歳でドラムを始め、すぐにDCエリアのトップ・ティーチャー ウォルター・サルブに師事。
1991年、彼女はダウンビート誌の “Up and Coming “で特集され、すぐにワシントンDCのクラブで演奏するようになり、やがてウエスト・バージニア大学で音楽演奏の学士号を取得した。卒業後、ニューヨークに移りマイケル・カーヴィンとレニー・ホワイトに師事、フリーランスのドラマーとしてのキャリアをスタートさせた。また、プロデューサー、作曲家、教師としても活動している。
アリソンのドラミングと楽曲は、人気TVドラマシリーズ「The L Word」でも使用されている。また、アメリカ国務省よりジャズ大使に選ばれ、東アフリカ、ユーラシア、東南アジアをツアーしている。
個性的で自由度の高い楽曲を好み、比較的シンプルで心地よいドラミング。
オールマイティにどんなスタイルでもしなやかにこなす卓越したセンスが特徴。
Dr. Lonnie Smith / Jungle Soul / 2006年
ドクター・ロニー・スミス / ジャングル・ソウル
Organ – Dr. Lonnie Smith
Drums – Allison Miller
Guitar – Peter Bernstein
Rhythm Guitar, Acoustic Guitar – Matt Balitsaris
さてこのアルバムは、言わずとしれたオルガニスト、ソウル・ジャズの化身ドクター・ロニー・スミス、2006年のアルバム。
アリソン・ミラーのキャリアとしては、2000年頃からレコーディングに名を残しているけど、ビッグネームとの組み合わせとしては、このアルバムくらいからではないだろうか。
ミラーは、すでに2004年にはリーダーアルバムをリリースしてるけど、残念ながらサブスクリプションに見当たらない。
さて、このアルバム。
ロニー・スミスとアリソン・ミラーの他には、ギタリストとして2人、
ピーター・バーンスタインとマット・バリサリスが名を連ねてる。
マット・バリサリスは、地味にサイドギターに徹しているので、
ほぼバーンスタインとスミスの絡み、そしてミラーのドラミングが聴きどころだ。
ロニー・スミスのアルバムにしては、地味目でそれほどホットではないけど、
煽るバーンスタインと、静かに燃えるスミス先生が渋い。いや激渋と言っていい。
スミス先生の変わらぬグルーヴを支えるアリソン・ミラーのドラミングは、タイトで切れよく安定感あり。過不足なくというか、いやスミスの期待に十二分に応えてる。
9曲目 “ZimBabwe” あたりでの疾走感もまた堪らない。
アリソン・ミラーがキャリア初期にて、あのロニー・スミスと組んでいたというおもしろさ。ミラーの軽快なドラミングとスミスの繰り出すアーシーなベースラインが畝る1枚。