鬼才ニルス・クラインを起用した現代のチェンバーミュージック!
Chamber music representing the modern era, featuring the genius Nils Klein!
Ben Goldberg / Orphic Machine / 2015年
ベン・ゴールドバーグ / オルフェック・マシーン
Clarinet, Composed By, Arranged By – Ben Goldberg
Bass – Greg Cohen
Drums – Ches Smith
Guitar– Nels Cline
Piano – Myra Melford
Tenor Saxophone – Rob Sudduth
Trumpet – Ron Miles
Vibraphone – Kenny Wollesen
Voice, Violin – Carla Kihlstedt
Words By – Allen Grossman
きょうは、先日紹介のアリソン・ミラーズ・ブーム・チック・ブームのキーマン、ベテラン・クラリネット奏者ベン・ゴールドバーグを取り上げてみたい。
このアルバムは、2015年リリース。
メンバーは、ベースのグレッグ・コーエン。
ドラムに、チェス・スミス。
トランペットの詩人、ロン・マイルス。
テナーサックスに、ロブ・サドゥス。
ヴォーカル、ヴァイオリンで、カーラ・キールシュテット。
ピアノに、マイラ・メルフォードという錚々たるメンツだ。
クラリネットの美しいハーモニーで始まり、
そこにキールシュテットの魅力的なヴォーカルが重なる。
へ〜こういうのもたまにはいいか、なんておだやかな気持ちで聴いていると間奏あたりからギターの音が静かにナチュラルに重なってくる。しかし次第にギターの音はネルス・クラインらしいノイジーなものに変化。楽曲も終盤に向かい徐々に盛り上がりを見せフィニッシュ。そのアンサンブルのバランスが絶妙。
クラインのギターは曲によって、
涼し気なコンピング、
環境音のような電子音、
ブルージーなソロ、
ノイジーな咆哮など。
激しさをともなったものもあり、楽曲に確かな陰影を刻んでいる。
それでも絶妙なバランスで美しく牧歌的なサウンドを邪魔することないのは、
プロデューサーあるいは、ゴールドバーグの力量だろう。
ジャズ、クラシカル、フォークなどのアメリカーナの要素が渾然一体、
華やかで美しいだけではない現代のチェンバー・ミュージック。
なかなか心地よい音楽。