3人の匠による珠玉の1枚!
A gem by three artisans!
Ambrose Akinmusire / Owl Song / 2023年
アンブローズ・アキンムシーレ / オウル・ソング
Trumpet, Producer – Ambrose Akinmusire
Drums – Herlin Riley
Guitar – Bill Frisell
きょうは、昨日紹介ロン・マイルスの「クイヴァー」と、
ギタリスト ビル・フリーゼル繋がりで、やはり変則トリオでのアルバム。
アンブローズ・アキンムシーレの2023年リリース「オウル・ソング」。
レーベルをブルーノートからノンサッチへ移籍しての第1弾だ。
このアルバムは、
アンブローズ・アキンムシーレは10代の頃、トランペットを手に取り、ビル・フリゼールのレコードに合わせて演奏を楽しんでいたという。「初めてビル・フリゼールと演奏した時から、彼と一緒にレコーディングをしたいという気持ちを持っていた」と彼は語る。「ビルの特別な才能のひとつは、初めて聴いた曲を形にする能力だ。彼は最初の音を出す前に、音楽が何を求めているのかわかっているかのようだ」ビル・フリゼールのユニークなスタイルもまた、“less is more”を最高のレベルで体現したものであることは間違いない。(Musica Terraより参照)
というアキンムシーレの希望を叶えての人選。
ドラムのハーレン・ライリーもまた、アキンムシーレの敬愛するドラマーということだ。
それにしても、フリーゼルってミュージシャンから人気がある人。
リード楽器のみならず、同じギタリストからも声がかかるってスゴい。
しかも、結構変則トリオでの組み合わせも多い。
独自の浮遊感を活かそうとすると、そうなるのかな。
まあそんなわけで、このアルバムも悪いワケがない。
フリーゼルのアルバムといっても過言でないくらいの世界観にも感じるし、
アキンムシーレの “あの音色” での一貫したストーリーにフリーゼルが寄り添っているようにも聴こえる。
ライリーのドラミングにしても、しかり。
「自由に表現してほしくて、サウンドに関して詳しい説明を避けた」とアキンムシーレが語っているにもかかわらず、3人の演奏は端からアキンムシーレが細部まで設計したかのような精度と完成度を誇っている。
アキンムシーレの夢と、技術的、精神的にたどり着いた高み、そして2人の匠の技が渾然一体となった珠玉の1枚。