Terri Lyne Carrington+Social Science / Waiting Game / 2019年
テリー・リン・キャリントン+ソーシャル・サイエンス / ウェイティング・ゲーム / No,2038
さて、きょうはテリー・リン・キャリントン最新作!
いいよこれも、確実に2019年を代表する一枚。
なんでグラミーノミネートされてないんだろと思ったら、グラミーの期間って10月1日から翌9月30日までなんだね。つまり、これは来年度の対象作品。
テリー・リン・キャリントン+ソーシャル・サイエンスてなってるけど、ソーシャル・サイエンスってグループの活動歴はないから、このアルバムのため作ったというか、最近のテリー・リン・キャリントン主導のユニットってことかな。実際、多くの曲がメンバー共作だ。
ピアノがアーロン・パークス、ギターにマシュー・スティーヴンス、サックスのモーガン・ゲリンが主要メンバー。
さらにゲストがスゴイ。デリク・ホッジにエスペランサ・スポルディングにミシェル・ンデゲオチェロ、その他錚々たるメンツ。
昨日紹介の “ ザ・モザイク・プロジェクト ” もそうだったけどテリー・リン・キャリントンの実力と人望を表すかのような豪華さだ。
ぱっと聴き、現在のジャズの状況を知らない人なら「これってジャズなの?」な感じだけど、「いやいや、これがジャズなんだよ。いまやジャズとはこういう音楽なんです」と答えてもいいかもと最近ではオイラも思えてきた。これが本流、2020年スタイル。
テーマがどこにあるのか分からない。
どこからソロなのかも分からない。
ジャンルの区別も分からない。
ヴォーカルなのかヴォイスなのかMCなのかも、はっきりしない。
全てが渾然一体、だけど美しい響きとナイスなグルーヴは流れてる。
そうそう、よく分からないものを楽しむのが大人。
さておき、このアルバム。曲の良さが際立ってる。
1CD目、この組み合わせで来たかという驚きもあったけど、各自の持ち寄りや共作が、メンバーの力量や共鳴度をしめしていて、どれも素敵だ。
2CD目は、スポルディングのベースとストリングスを多用した独自世界。ドラムというオーケストレーションとでも言おうか、弦楽器の中を泳ぎ回るドラミングが美しい。
ドラマーとしてアレンジャー、プロデューサーとしてキャリントン乗りに乗ってるというところかな。
今後もヴォイス&ヴォーカル、そして弦楽器を多用したジャズが増えることは間違いない。
Social Science:
Drums, Percussion, Vocals, Programmed By – Terri Lyne Carrington
Guitar – Matthew Stevens
Piano, Synth, Vocals, Keyboards – Aaron Parks
Saxophone, Bass, Electronic Wind Instrument, Vocals – Morgan Guerin
Vocals – Debo Ray
MC, Turntables – Kassa Overall
Bass – Derrick Hodge, Esperanza Spalding
Cello – Jeremy Harman
Clarinet, Bass Clarinet – Matthew Stubbs
Flute, Alto Flute – Wendy Rolfe
Violin – David France, Layth Sidiq, Mimi Rabson
Orchestrated By – Edmar Colón
Percussion – Nêgah Santos
Vocals – Debo Ray, Mumia Abu Jamal
Featuring, MC, Turntables – Kassa Overall
Featuring, Vocals – Malcolm-Jamal Warner, Mark Kibble, Rapsody, Debo Ray, Meshell Ndegeocello, Maimouna Youssef
Featuring, MC – Raydar Ellis, Kokayi, Maimouna Youssef
Featuring, Trumpet – Nicholas Payton
Terri Lyne Carrington and Social Science – Trapped in the American Dream ft. Kassa Overall
Terri Lyne Carrington and Social Science – Bells (Ring Loudly) Live at Berklee