Melissa Aldana / Visions / 2019年
メリッサ・アルダナ / ヴィジョンズ / No,1362
昨日に引き続いて、2019年に高い評価を得た作品で未紹介のものを。
メリッサ・アルダナ初登場!
メリッサは、
1988年チリのサンティアゴ生まれ10代の頃よりの地元(母国:チリ)での演奏活動を経て 米ボストンのバークリー音大に留学、ジョー・ロヴァーノ、ジョージ・ガゾーン、グレッグ・オズビー、ビル・ピアース他に師事、2009年に同大卒業後はNYへ進出し、ジョージ・コールマンにも師事、以降、現代ジャズ・シーンの最前線で精力的に活躍を続け、Inner Circle Music、Concord、Word of Mouth Musicから着々とアルバムを発表して高評価を得てきた、進取性に富む個性派女性テナーサックス奏者。2013年のセロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティションで最優秀賞を受賞。
という人だ。
このアルバムは、6曲目 ” Elsewhere ” で、グラミー賞 Best Improvised Jazz Solo賞にノミネートされている。
メキシコの画家、フリーダ・カーロの人生にインスパイアされて作ったというアルバム。
彼女のサックスのじつにボキャブラリー豊富な音色とテクニックに魅了される。
チリ出身と聞いただけでなにか肩入れしてしまいそう。南米の憂いと湿気をまとった音色とフレーズ。正統派なバップ、モードからダークな曲調まで実に軽やか。
また、このアルバムに参加のジョエル・ロスは、いま最も注目を集めるヴィブラフォン奏者。楽曲と彼女のサックスを実によく引き立てている。彼の起用が、このアルバムをワンランク上のレベルに引き上げている。
いい仕事しているピアノのサム・ハリス、ベースのパブロ・メナーズ、
ドラムのトミー・クレイン、いずれも同世代のNYの俊英だ。
軽やかでいながら、哀愁を帯びた旋律。
熱さと憂いと優しさが同居する素敵な一枚。
一曲のぞいて、メリッサの自作。このメロディ・センスは、南米の血なのか。
いやいや、聴き応えある名盤。
Tenor Saxophone – Melissa Aldana
Bass – Pablo Menares
Drums – Tommy Crane
Piano, Electric Piano – Sam Harris
Vibraphone – Joel Ross (tracks: 1 to 4, 6, 7, 9, 11)
Melissa Aldana – Visions [Audio]