Kenny Garrett / Simply Said / No.0013
ケニー・ギャレット / シンプリー・セッド / 1999年
今週は、
「現代ジャズは、ドラマーが牽引する」派のオイラ
として、ドラマーについてちょっと掘ってみたい。
まずは、なんといってもこの人から。
「グラスパー以前とグラスパー以後」という
言葉を生んだくらいの存在、ジャズを変えた男ロバート・グラスパーの右腕、
ジャズのリズムの変革者クリス・デイブ。
クリスは1973年生まれ。
93年頃からおもにR&B畑のレコーディングの仕事を始め、
99年には、Mary J. Bligeのアルバムにも参加している。
09年にロバート・グラスパー・エクスペリメントに初代ドラマーとして参加、
2013年のグラミー受賞「ブラック・レディオ」で世界にその名を知らしめる。
ゆらぎのある大きくレイドバックしたビートでありながら、切れ味の鋭いドラムワークは「まるでJ Dillaの作るビートのよう」と話題を集める。
ケニー・ギャレットは、言わずと知れたマイルス組最後のサックス奏者。
そして、そんなケニーが認めたのがクリスの才能。
このアルバムは、ケニーとクリスの初共演作。
全体としてフュージョン色が強いけど、
1曲目のっけからクリスらしさを感じるドラムが小気味いい。
ちゃっかりメセニーも2曲参加してる。
ただ関係ないんだけど、
一聴して分かる昔あれほど大好きだったマーカス・ミラーのベースが聞こえると、
ザ・フュージョンというか、なんか古くさい音に聞こえて最近はあまり聞く気がしない。
なんでだろ。
R&Bにしてもヒップ・ホップにしてもジャズにしても現代の潮流、特徴は、浮遊感というかフューチャリスティックというか調性感の薄い音楽が主流になりつつある。
それとは正反対の分厚く重ねた音ガチガチな構成感を、オイラはマーカスに感じているのかもしれない。
オレって残酷、ただのミーハー ?!
いや、単にマーカスミラーを聴きすぎてきただけなのかもしれない。
いすれにしても軽快なこのアルバム。
ケニーのサックスもキャッチーでボーカルが入っても良さそうな曲も多く、なんだかドライブのお供にでもよさそうな気持ちのよい一枚ではあるよ。
Kenny Garrett:Saxophone
Chris Dave:Drums
Jeff “Tain” Watts:Drums(10)
Marcus Miller:Bass(1, 7, 11)
Nat Reeves:Bass
Pat Metheny:Guitar( 7, 11)
Bashiri Johnson:Percussion
Mulgrew Miller:Piano(10)
Shedrick Mitchell:Piano
Kenny Garrett – G.T.D.S. (Album Version) – Simply Said