Wynton Marsalis / Black Codes / No.0001
ウィントン・マルサリス / ブラック・コーズ / 1985年
このウィントン・マルサリスのアルバムを最初に取り上げたのは、
まず、
今をときめくロバート・グラスパーが、インタビュー【 JTNC 05:注1 】 の中で、影響を受けたピアニストとして、ケニー・カークランドの名を挙げこのアルバムのことを
僕の世代はすべて影響を受けている。
あのアルバムでのリズムの影響力は、尋常じゃないね。
あれは、ケニー・カークランドを世界に紹介したアルバムだからね。
と述べてたから。
そして、
ウィントン・マルサリスというヒトが、
“ 青筋立てたブロウ ” やワケの分からん“ 精神性 ”
を重んじる旧世代ジャズファンから、いわれのない誹りを受ける存在だから。
曰く「巧すぎてハートがない」とか。
バカもやすみやすみ言え!て感じ。
そういう意味でこのアルバムあたりが、
新世代の芽吹き、あるいは新旧交代の象徴のように思えるからだ。
まあ、マルサリスはオイラと年齢は1つ違い。
1985年といえば、オイラが社会に飛び出した頃だ。
若造だったオイラがジャズバーあたりへくり出すと、
ウンチク垂れるジャズジジィの多さに辟易したものだった。
肩入れするのもいたしかたないと思ってくれ。
アルバムの内容はというと、もちろん素晴らしい。
グラスパーの言うとおり、変拍子の曲が目立ち、
1曲目からガツーンと来る、格好いい。
そして、メンバー全員のプレイが若さに溢れてる。
“ Black Codes ” というタイトルからして意味深で刺激的だ。
全編を貫く緊張感と美しさ。
マルサリスの美意識が、すみずみまでいきわたった名盤。
Wynton Marsalis:Trumpet
Branford Marsalis:Saxophone
Charnett Moffett:Bass
Ron Carter:Bass
Jeff “Tain” Watts:Drums
Kenny Kirkland:Piano
【注1】= 柳樂光隆 / Jazz The New Chapter
Marsalis Wynton – Black Codes
Jazz The New Chapter 5 (シンコー・ミュージックMOOK)
- 作者: 柳樂光隆
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック
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