北欧ジャズ界サキソフォン超新星マリウス・ネセットのセカンド・アルバム。その拡張性、才気走ったサックスの “ explosion ” に立ちあえ!
先週紹介のデンマーク・ラジオ・ビッグバンド&挾間美帆と共演していたマリウス・ネセットを聴いてみよう。
若い!楽しい!アグレッシブ!
クラシックの素養の強い土地柄からの人は、当然ながら高度なテクニックの持ち主ばかりだ。
マリウス・ネセットはそれに加えて、アグレッシブ&トレッキーなアイデア、ドラマチックな作編曲能力、何より新しいものを作ってやろうという並々ならぬ野心に満ちているようで聴いてて楽しい。
ミニマムの影響とマイルス – ザヴィヌル・ラインを彷彿するたたみ掛ける1曲目から2曲目への流れ。ザヴィヌルをブレッカー・ブラザーズに入れたかのような超ヘヴィ・メタル・ビバップ的3曲目。大きな空間を揺蕩う4曲目の後、音を重ねてるかのように聴こえるアルペジオぽい展開のサックスがピアノの左手と右手の動きを思わせるような息をもつかせぬ(ていうかよく息継ぎできるな、すごっ!)トリッキーなカッコよさの5曲目。かとおもうと雄大な風景を映し出すような抒情的な楽曲。とにかく目(耳が)が離せない。
いろんなアイデアや次から次に湧いてくる時期なのだろう、いろんな方向性への可能性を秘めた楽曲達が飽きさせない。
ミニマムにクラシックにジャズに、そんなカテゴラリー分けももどかしいネセットの才能。これからもっと洗練されてゆくに違いない。
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆
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Saxophone, Composed By – Marius Neset
Bass – Jasper Høiby
Drums – Anton Eger
Piano, Keyboards, Trumpet – Django Bates
Producer – Anton Eger, Marius Neset