ヤズ・アーメッドの進化、自身のルーツを追求しながらも、さらに新たな世界を開く!
Trumpet, Flugelhorn, Flugelhorn [Quarter-Tone Flugelhorn], Producer – Yazz Ahmed
Bass Clarinet – Shabaka Hutchings (tracks: 2, 5, 9, 10, 12)
Bass Guitar – Dave Manington (tracks: 4, 5, 8, 9), Dudley Phillips (tracks: 2, 9, 10, 12)
Drums – Martin France (tracks: 2, 9, 10, 12)
Electric Piano – Naadia Sheriff (tracks: 2, 9, 10, 12)
Guitar – Samuel Hällkvist (tracks: 2, 6, 10)
Percussion – Corrina Silvester (tracks: 2, 4, 5, 6, 8, 9, 10, 12)
Producer – Noel Langley
Trumpet – Noel Langley (tracks: 6)
Vibraphone – Lewis Wright (tracks: 1, 3, 4, 5, 7, 8, 9, 11, 12, 13)
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Exotic / エキゾティック度 ☆☆☆
Melancholy / メランコリー度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
さて、ヤズ・アーメッドをもう1枚。
いいよ!これ。
さらに進化したアーメッドここにあり。
2016年にはアラビア音楽を奏でるために必要な微分音を奏でることができる特注のフリューゲルホーンを手に入れ、それをもとに2017年にはセカンドアルバム『La Saboteuse』を制作し、一気に飛躍した。(OTOCOTO:柳樂光隆)
ということで、さらに自身のルーツであるアラビックなサウンドを掘り下げた。
シャバカ・ハッチングスもガッツリ参加してるし、シャバカのバス・クラリネット、ベース、エレピ、もちろんヤズのホーンが、独自の特異な雰囲気を創りだしている。
さらに、全編にわたってヴィブラフォンのルイス・ライトがいい仕事をしていて、さらにサウンドに色彩もたらしている。
しかしながら、エキゾチックな空気なだけでなく、現代的なリズム、UKらしさが、タイトな心地よさ、躍りたくなるような躍動感をもたらしている。
気持ちいい。
驚いたのは、9曲目の “ Bloom ” だ。
これは、彼女も参加した“ Radiohead / The King Of Limbs ” の楽曲。
原曲同様、無機的なリズムで始まるものの、次第に視界が開けてゆき、気がつくとマリア・シュナイダー・オーケストラばりに広大な空間と爽やかな風を感じさせるような曲へと膨らんでいた。これまたヤズの新境地、新たな才能の一端。
その後、後半ではUKクラブサウンド的スペーシーな空間も展開させたりと、最後まで飽きさせない1枚。
ともに “ Radiohead / Bloom ” に参加した先輩格のUKトランペッター、ノエル・ラングレーがこのアルバムをプロデュースしているというのもおもしろい。
↓ こちらが、“ Radiohead / Bloom ”