デヴィッド・ビニーが、ツイン・ドラム+アキンムシーレ+グレッチェン・パーラトでおくる、NYコンテンポラリー直球内角低め!
David Binney’s New York contemporary straight-ahead, low inside pitch with twin drums + Akinmusire + Gretchen Parlato!
David Binney / Graylen Epicenter / 2011年
デヴィッド・ビニー / グレイレン・エピセンター
Alto Saxophone, Soprano Saxophone, Vocals, Producer, Composed By – David Binney
Bass – Eivind Opsvik
Drums – Brian Blade (Track: 1 – 4, 6, 8 – 10), Dan Weiss (Track: 1, 5, 6, 9, 10)
Guitar – Wayne Krantz
Percussion – Rogerio Boccato
Percussion, Vibraphone – Kenny Wollesen
Piano – Craig Taborn
Tenor Saxophone – Chris Potter
Trumpet – Ambrose Akinmusire
Vocals – Gretchen Parlato
Vocals – Nina Geiger (Track: 10)
さてさて今週は、現代ジャズドラマー列伝 ≪ ブライアン・ブレイドの巻 ≫ 、第12弾。
デヴィッド・ビニー2011年のアルバム。
メンバーは、ベースのアイヴィン・オプスヴィーク。
ドラムが、ブライアン・ブレイド&ダン・ワイス。
(10曲中8曲がブレイドで、ワイスが5曲、ツインドラムで4曲)。
さらにパーカッションで、ロジェリオ・ボッカートとケニー・ウォルセン。
ケニー・ウォルセンは、ヴィブラフォンもこなし、
ピアノにクレイグ・テイボーン。
サックスでクリス・ポッター。
さらに、トランペットでアンブローズ・アキンムシー。
ヴォーカルでグレッチェン・パーラト、ニーナ・ガイガーという、
豪華な布陣だ。
1曲目から、ブライアン・ブレイド炸裂でテンションがあがる。
そして、このアルバムのキモ、グレッチェン・パーラト。
ふつうゲスト・ヴォーカルの使い方って、
「アルバムが退屈しないよう1・2曲ヴォーカル曲でも入れとくか!」的な扱いが多い。
しかし、このアルバムでは、2管3管のところの1つをパーラトのヴォイスで、あるいはシンセではなくヴォイスといった使い方なのだ。
もちろん代替えではなく、ヴォイスならではの効果を期待しての使い方、完全に楽器としてヴォーカルを捉えている。デヴィッド・ビニーもグレッチェン・パーラトも互いの求めるところを理解し合った好ましい展開。
さらには、ダン・ワイスとブライアン・ブレイドのツイン・ドラム(4曲あり)、アンブローズ・アキンムシーレのトランペット+クリス・ポッターのサックス、さらにウェイン・クランツという毛色の変わったギタリストまで加え実験的なサウンドを繰り広げている。
多彩なバラエティというか、曲ごとに色んな取組がなされてて飽きさせない。
なかでもオイラ的には大好きなアンブローズ・アキンムシーレの音に耳をそばだててしまう。
2011年といえばアキンムシーレは、ちょうどブルーノート・デビューを果たした年。
すでに人並み外れた音色やテクニックであることに驚く。
繰り返し聴いては発見のあるアルバム。
飽くなき実験者であり探求者デヴィッド・ビニーの野心作、聴き応えあり。