月曜日・新シリーズ!
「ジャズって何から聴けばいいですか?」と問われること多し。
「ソニー・ロリンズのサキソフォン・コロッサス」と答えたいのはやまやまだけど、このブログのコンセプトに従って2000年以降のアルバムという縛りで、わかりやすさ、かっこよさ、親しみやすさを第一に毎週1枚あげていきたい。
題して “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ”
(なんで試験やねん)よろしく!
試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.008
José James / Yesterday I Had The Blues
– The Music Of Billie Holiday /2015年
ホセ・ジェイムズ / イエスタデイ・アイ・ハッド・ザ・ブルース
– ザ・ミュージック・オブ・ビリー・ホリディ
ビロードの声を持つホセ・ジェイムズ、ビリー・ホリデイに捧げたトリビュート・アルバム。
José James / Yesterday I Had The Blues
– The Music Of Billie Holiday /2015年
Vocals – José James
Bass – John Patitucci
Drums – Eric Harland
Piano, Electric Piano – Jason Moran
Producer – Don Was
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Dreamy / ドリーミー度 ☆☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆
Melancholy / メランコリー度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Relaxing / まったり度 ☆☆☆
Modern Contemporary / 本流回帰度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
現代ジャズ ≪ 入門編 ≫だけど、これはもう文句なしに万人が楽しめるアルバム。
ネオ・ソウルあるいはヒップホップもこなす人気ヴォーカリスト、ホセ・ジェイムズのブルーノート第3弾。
生誕100年を記念してのビリー・ホリディへのトリビュート・アルバム。
ブルーノート社長であるドン・ウォズがプロデュース、ジェイソン・モランのピアノ、ベースはジョン・パティトゥッチ、ドラムはエリック・ハーランドといった現代ジャズ最高峰のメンバーでの作品。
かなり、オーソドックスで地味目のアルバムだけど、ジワジワと染みわたるアルバム。
憂いを帯びながらも、滑らかでビロードのようなジェイムズの歌声。
溜めに溜めた節回し、ブルージーでソウルフル。地を這うようなダークネス、あるいは揺れ動く感情の濃淡な味わい。そしてリリカル&ジェントリーなジェイムズの歌唱に包まれる心地よさといったら他に無い。
もちろん、バックのメンツのプレイも最高。
モランの予測不可能なピアノも、ハーランドの現代的な風味も、強靱さと正確無比さで今なおベーシスのトップに君臨するパティトゥッチのプレイも、非常に控えめながらも随所でニヤリとさせる完璧なサポートでジェイムズを盛り上げる。
ヴォーカル・ジャズの世界は、ジャズ入門にはいつだって最適解なのかもしれない。
そして、現代ジャズ・ヴォーカルの世界を更新し続けるオトコ、ホセ・ジェイムズ。間違いなし。