月曜日・新シリーズ!
「ジャズって何から聴けばいいですか?」と問われること多し。
「ソニー・ロリンズのサキソフォン・コロッサス」と答えたいのはやまやまだけど、このブログのコンセプトに従って2000年以降のアルバムという縛りで、わかりやすさ、かっこよさ、親しみやすさを第一に毎週1枚あげていきたい。
題して “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ”
(なんで試験やねん)よろしく!
試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.009
Robert Glasper / Covered – The Robert Glasper Trio Recorded Live At Capitol Studios /2015年
ロバート・グラスパー / カヴァード
2010年代ジャズの流れを変えたオトコ、ロバート・グラスパーのピアノ・トリオ作品。完全アコースティックなのに聞こえてくるのは、唯一無二のグラスパー・サウンド。
Robert Glasper / Covered – The Robert Glasper Trio Recorded Live At Capitol Studios /2015年
Piano, Producer, Arranged By – Robert Glasper
Bass – Vicente Archer
Drums – Damion Reid
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
ジャズの流れを変えたオトコ、ロバート・グラスパー。
2012年に “ Black Radio ” でグラミーを獲り、2013年 “ Black Radio 2 ” と出した後の完全アコースティックなピアノ・トリオでの1枚が、これ。
レディオヘッド、ジョニ・ミッチェル、ジョン・レジェンド、ジェネイ・アイコ、ビラル、ケンドリック・ラマーそれに4曲のセルフ・カヴァーと2曲のスタンダードという構成。
選曲でもわかるとおり、コアなジャズ・ファンというよりヒップホップやR&Bを聴く世代に向けて作られたような感じ(このコーナーのコンセプトと合致)。
ロバート・グラスパーらしい、美しいフレーズの繰り返しで心地よい気分にしてくれる。
ただ、自作5曲目だけは異質で、遊んでいるようなフレーズにドラムやベースとの追っかけや遊びやソロ、そして美しいメロディをコラージュのように繋いで見せたりと、日頃演ってる音楽をシンプルなピアノ・トリオでやってみせて、ちょっとおおっ!と驚かせてくれる。
それから、スタンダードの “ Stella by Starlight ” に関しては、いろんなピアニストの手垢のついた曲だけに遊び倒すというか、いじり回していて、その分解具合が楽しい。
もっともっと、こんな高度な遊びを見てみたい。
まあ、そんなサーヴィス精神と遊びの入り交じったアルバム。
時代の寵児の才能の一端が垣間見える。