いまや押しも押されぬ最重要ドラマーとなったアントニオ・サンチェス、2007年の初リーダー作品。そしてクリス・ポッター、パット・メセニーとの邂逅!
Antonio Sanchez, who has become one of the most important drummers in the world, released his first leader album in 2007. This is the album where he met Chris Potter and Pat Metheny!
Antonio Sanchez / Migration / 2007年
アントニオ・サンチェス / マイグレーション
Drums – Antonio Sanchez
Bass – Scott Colley
Tenor Saxophone – David Sanchez
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone – Chris Potter
Piano – Chick Corea(Tracks: 1,8)
Guitar – Pat Metheny(Tracks: 3,9)
Composed By – Antonio Sanchez(Tracks: 2, 4 to 6)
きょうは、現代ジャズドラマー列伝 ≪ アントニオ・サンチェスの巻 ≫ 第4弾。
いまや押しも押されぬ最重要ドラマーとなったアントニオ・サンチェス、
2007年の初リーダー作品。
クリス・ポッターとデヴィッド・サンチェスのツイン・テナーにベースがスコット・コリーというメンバー。
それに、ゲストとしてチック・コリアとパット・メセニーがともに2曲ずつ加わったという初リーダー作にしては破格の豪華メンバー。
しかも、チックとメセニーはともに1曲ずつ提供してるし、チックにいたっては、タイトルが “ One For Antonio ” となっている。む〜愛されてるぜ、アントニオ・サンチェス。
それもそのはず、演奏を聴けば納得の安定感というか、大物2人から愛されるだけの力をいきなり発揮しているアントニオ・サンチェス。新人らしからぬ高度な内容の完成度の高いアルバムとなっている。
名刺代わりの1曲目(チックの曲)からただならぬテンションで、
もう名盤認定だしていいほどの内容にうっとり。
そして、御大2人の入らない2曲目のガッチガチのガチ度にのけぞる。
スコット・コリーとサンチェス、そしてクリス・ポッターのテンションが半端なく、
見せ場の連発で、堪らない。
それ以降も、
無茶苦茶こった作りでもない曲(失礼)でも、このメンツだとこんなにカッコいいのかと感服。それに、なんといってもサンチェスのドラミングに唸る。
メセニーが入る曲も、いままでに聴いたことないメセニーの色にため息。
それから、なんといっても9曲目 “ Solar ” はメセニーとサンチェスのデュオ。
あらためて、サンチェスのドラミングの素晴らしさに絶句。
文句をつけるとすれば、素っ気ないジャケット・デザインくらいの素晴らしい作品。
ついでのようだけど、
これがきっかけでパット・メセニーの “ ユニティ・バンド ” が始まったという記念碑的アルバムでもある。
Antonio Sánchez / アントニオ・サンチェス
– 1971年、メキシコ、メキシコシティ生まれ –
5歳でドラムを始め、10代初頭にはすでにプロとして演奏を始める。
1993年にメキシコ国立音楽院でクラシック・ピアノの学位を取得後、ボストンに移りバークリー音楽大学で学ぶ。さらにニューイングランド音楽院に進み卒業。1999年にニューヨークに進出、2001年よりパット・メセニ・グループの一員として8枚のアルバムに参加、うち3枚でグラミー賞を受賞。
そのほか、チック・コリア、クリス・ポッター、デビッド・サンチェス、ジョン・パティトゥッチ、ダニオ・ペレス、ケニー・ワーナー、アビシェイ・コーエンなどなど様々なアーティストと共演を果たし、自らのリーダー・アルバムでも高い評価をえる現代最高峰のドラマー。