試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.017
Christian Scott aTunde Adjuah / Diaspora / 2017
クリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアー / ディアスポラ
現代ジャズ・トランペッター武闘派 最右翼クリスチャン・スコットのシルキー・メローな1枚。
Contemporary Jazz for Exams ≪ Introductory Edition ≫Vol.017
Christian Scott aTunde Adjuah / Diaspora / 2017
This is a silky mellow album by Christian Scott, one of the best contemporary jazz trumpeters.
月曜日・新シリーズ!
「ジャズって何から聴けばいいですか?」と問われること多し。
「ソニー・ロリンズのサキソフォン・コロッサス」と答えたいのはやまやまだけど、このブログのコンセプトに従って2000年以降のアルバムという縛りで、わかりやすさ、かっこよさ、親しみやすさを第一に毎週1枚あげていきたい。
題して “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ”
(なんで試験やねん)よろしく!
Christian Scott aTunde Adjuah / Diaspora / 2017年
Trumpet, Siren, Siren, Flugelhorn, Sampler, Sampler, Producer, Executive-Producer – Christian Scott aTunde Adjuah
Flute – Elena Pinderhughes (Tracks: 1, 3, 6, 7, 8, 11)
Alto Saxophone – Braxton Cook (Tracks: 1, 2, 6, 7, 10, 11)
Bass – Kris Funn (Tracks: 1, 2, 6-8, 10, 11)
Djembe, Bata, Congas – Weedie Braimah (Tracks: 1, 9)
Drums, Sampler – Joe Dyson(Tracks: 1-5, 7-9, 11)
Drums, Sampler – Corey Fonville (Tracks: 1-4, 6, 7, 10, 11)
Dunun – Chief Shaka Shaka (Tracks: 1, 9)
Guitar – Cliff Hines (Tracks: 1-3, 6, 8, 10)
Piano, Electric Piano – Lawrence Fields (Tracks: 1-4, 6-8, 10, 11)
Written By – Christian Scott (Tracks: 1-3, 5, 7-9, 11), Lawrence Fields (Tracks: 1, 2, 4, 7, 11)
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Relaxing / まったり度 ☆☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
さて試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫、きょうはトランペッターの作品いってみようかな。
むかしは、クリスチャン・スコットだった彼、いまはクリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアーだ。
その言動やファッションセンス、そしてアルバム・デザインから見て最もオレ様度が高く、そしてそれに見合うだけの実力を兼ね備えた存在として “ 現代のマイルス・デイヴィス ” 的オトコ、それがクリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアーだ。
彼の楽曲は、あたかもジャズ版 “ 冥土の鈴か、地獄花 ”(必殺仕事人、殺しのテーマ)のごとく先鋭的で、かなり熱量高めなので≪ 入門編 ≫としてはためらわれるけど、このアルバムは彼の中では飛びきりマイルドでシルキーな1枚なので心配ご無用。
ミニマル・ミュージックの影響も感じさせるような淡々としたリフの上に浮遊感をともなって流れるクリスチャン・スコットのトランペット。そして同時に常にそれに絡みながら美しいシルエットを描き出すエレーナ・ピンダーヒューズのフルート。彼女のサウンドは、切っても切り離せない存在感を放ってる。
また、作曲でも多くの楽曲に関わるキーボード奏者のローレンス・フィールズの。彼の存在もまたクリスチャン・スコットのサウンドには、なくてはならない存在なのだろう。3人のサウンドが楽曲の核を構成しているのがよく分かる。
マシンビートやループのクールさと、この上なく美しいトランペット&フルートの旋律。
差し込まれる刺激的なリズム、哀愁、メランコリー、不安、たくましさ、そして安寧。
浮遊感あふれるローズ・サウンドのなかにそれらが現れてはまた流れ、消えてゆく。
新しき帝王クリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアーならではの多様な音楽性が織り込まれた最先端のサウンド、 “ 世界のつながりや愛をテーマ ” に創造された新時代の傑作。