試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.023
Sarah Elizabeth Charles / Inner Dialogue / 2015
サラ・エリザベス・チャールズ
ジャズ・ヴォーカル新時代、第2世代の筆頭サラ・エリザベス・チャールズの聞き逃せない1枚!
Contemporary Jazz for Exams≪ Introductory Edition ≫Vol.023
Sarah Elizabeth Charles / Inner Dialogue / 2015
A can’t-miss album by Sarah Elizabeth Charles, the first of the second generation in the new era of jazz vocals.
月曜日・新シリーズ!
「ジャズって何から聴けばいいですか?」と問われること多し。
「ソニー・ロリンズのサキソフォン・コロッサス」と答えたいのはやまやまだけど、このブログのコンセプトに従って2000年以降のアルバムという縛りで、わかりやすさ、かっこよさ、親しみやすさを第一に毎週1枚あげていきたい。
題して “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ”
(なんで試験やねん)よろしく!
Sarah Elizabeth Charles / Inner Dialogue / 2015
Voice – Sarah Elizabeth Charles
Piano, Keys and Rhodes – Jesse Elder
Bass – Burniss Earl Travis II
Drums – John Davis
SPECIAL GUESTS
Co-produce, Trumpet – Christian Scott
Guitar – Camila Meza
Glockenspiel – Jesse Fischer
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Fantastic / ファンタジック度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
さて今日は先週からのヴォーカル続きで、サラ・エリザベス・チャールズの2015年のセカンドアルバム。
共同プロデューサーとしてクリスチャン・スコットを迎え、さらにゲストとしてカミラ・メサ、ジェシ・フィッシャーも参加して、彼女としても大きな飛躍となった1枚だ。
1曲目の重ねられた彼女のヴォイス、アカペラによるスキャットからして掴みはOK!
2曲目は、クリスチャン・スコットのペットが鳴り響くカッコよさと彼女のヴォイスとの絶妙なバランスに完全にノックアウトされることは請け合いだ。
透明感のあるフォークロアな雰囲気は、ハイチ出身に由来するものだろうか、R&Bともジャズとも言えない哀愁をまとった独特の世界観がある。
ハイチの民謡をアレンジしたのが、 “Yo-Yo “、 “Choucoune ” の2曲。
しかし、まったく民謡という感じはしない。むしろスタンダードのような心地よさ。
ゲスト陣はもちろんだけど、自身のバンドメンバーによる見どころも多々あって聴き応えがある。
ドラムのかっこよさ、ベースの重厚さ、かといって音を詰めすぎず空間を広く使った浮遊感。
ファニーあるいはシンプルな楽曲にも、独自のアンビエントが漂い彼女の世界が構築されてる。
ジャズ・ヴォーカル新時代と言われて久しいけど、彼女はさしずめ第2世代の筆頭といったところか。
聞き逃せない1枚。