Marc Cary / Life Lessons / 2021
マーク・キャリー / ライフ・レッスンズ / No,3274

きのうは、サイモン・ムリエのヴィブラフォンのトリオという変わったトリオだったけど、
きょうはマーク・キャリーのピアノトリオ。でも、こちらも十分変わってる。
キーボード・トリオと言った方が適切かもしれない。

なんせキャリーは、ピアノの他にシンセ、フェンダー・ローズ、ムーグなども平行して、あるいは重ねて使っている。

最初の3曲くらいで、なんかネオ・ソウルぽいな、あるいはちょっとブルージーでアーバン（死語か）なオシャレ路線かなと聴いていると、

だんだんと引き込まれ
「いやいや深いぞ、やっぱさすがマーク・キャリーだぞ！」
と聴き入ってしまう。

メンバーは、ベースにダン・チュミリンスキー、ドラムにディエゴ・ホアキン・ラミレスという布陣。
教育にも力を注ぐキャリーの実際の教え子らしい。
すでに4年くらいは、共に音を創りあげてきた仲。

タイトルの通り、まさしく “ Lessons ” な関係でもあるし、
マーク・キャリーの人生とこれまでのキャリアをまとめたもの、
学び受け継いできたものを象徴している言葉でもあるらしい。

キャリーのキャリア初期の指導者の一人であるアビー・リンカーンの曲が2曲。
それから “ Trust ” は、友人でありバンドメンバーでもあったロイ・ハーグローヴの曲も収められていて、
後半にすすむにしたがって、深い思慮と音楽的な重層に魅せられる。

いや〜聴けば聴くほど深く、そして染み入ってくるような内容。
思わずハイボールからオンザロックに代えちゃってたよオイラ。
1人でウィスキーを傍らに楽しみたい1枚。