Slawek Jaskulke / Sea / No.0042
スワヴェク・ヤスクウケ / シー / 2014年
キューバのピアニストが続いたので、次はポーランド。
スワヴェク・ヤスクウケ、大好きなピアニストです。
ピアノ王国ポーランドにおいても強烈な個性は異彩を放ってる。
彼のアルバムは、通常の440kHzではなく432kHzチューニングという
バッハのクラヴィーア等に代表されるバロック時代のチューニングを採っていて、
ちょっと低めなのかな、こころなしか落ち着く。
たぶんピアノのハンマーにも何かしら工夫があるんだろう、
くぐもったような丸みを帯びた温かな音色が特徴だ。
ミニマル・ミュージックのような繰り返しで、
それこそこのアルバムタイトルの波のごとく、
寄せては引きながら変化してゆく。
拍子も4拍子なのか5拍子なのか水面のように捉えどころがなく、
調性感の希薄さから来る浮遊感とはまた違った漂う感じが美しい。
時折、東洋を思わせる旋律が浮かんできたり、
淀んだかと思えばキラキラと輝いたり、
自然の揺らぎを見るように単調なようで飽きることがない。
この演奏の中に即興がどれほど含まれるのかも分からないけど、
そんなことはどうでもいいくらいの心地よさだ。
Slawek Jaskulke – Piano
Jaskułke __ Sea III