Donny McCaslin / Soar / 2006年
ダニー・マッキャスリン / ソア / No,1037
マリア・シュナイダー → デヴィット・ボウイと来たら、
もうこの人、ダニー・マッキャスリン。
昨日紹介のデヴィット・ボウイ「Blackstar」参戦のサックス奏者、キーマンです。
1984年バークリー音楽大学に入学すると、ゲイリー・バートン、ジョージ・カゾーンらに師事する。1991年NY移住後は、エディ・ゴメスのバンドに参加、またゴメスの紹介でマイケル・ブレッカーの後任としてステップス・アヘッドに加入。2000年代前半には、それまでエキストラ参加だったマリア・シュナイダーのオーケストラにレギュラーとし加わる。
だいたい2000年以降に頭角を現した人ですね、ダニー。
「Blackstar」を聴いた後あるいは、このジャケットのイメージから、
ソリッドでダークで変態的なのか!て思って聴くと拍子抜けする。
意外と聴きやすいというか、むしろ爽やかというか。
よく観るとお日様光ってますね、ジャケも。
このアルバムめっちゃ傑作ですよ。
2006年ながら、すでにマッキャスリンの個性というか、
奏法は今日に通じるものが出来上がってる。
特徴的なのは、短いフレーズというかフレーズよりも短い、
なんだろリフというかパッセージというか3から4音くらいの繰り返しを
次々とくり出しながら変化させてゆく吹き方。
ミニマム・ミュージック的だけど、そこまで緻密でも穏やかでもなく、
高速にしかもリズミックに展開してゆく。
それらを通常のスケール的な展開と組み合わせながら、
縦横無尽に吹きまくってゆく奏法、痺れます。
マリア・シュナイダー・オーケストラのトップソリストらしく、というか、
当然ながらブラジルのフィーリングが色濃く、明るく親しみやすいけど、
そこにさらにキューバンテイストな激しいリズムも織り込んでゆく。
アルバム頭でもりあげて、後半タイトル・ナンバーあたりで
2つ目のヤマ場がやってくる。
なかなか聴き応えありな満足盤。
ブレッカー後継者は伊達ではないというか、
サックスの音だけを追いかけててトロけます。
ドラムにはメセニー・グループで有名なアントニオ・サンチェスが
加わってるし、デヴィット・ボウイ「Blackstar」でもタッグを組んだ
マリア・シュナイダー・オーケストラのギター、ベン・モンダーも
このアルバムから共演している。
Tenor Saxophone, Flute – Donny McCaslin
Bass – Scott Colley (tracks: 2 to 9)
Drums – Antonio Sanchez(tracks: 2 to 9)
Guitar – Ben Monder
Percussion – Pernell Saturnino (tracks: 1 to 3, 5, 7 to 9)
Piano – Orrin Evans (tracks: 2 to 4, 8)
Trombone – Luis Bonilla
Trumpet – c (tracks: 7, 8)
Vocals – Luciana Souza (tracks: 1 to 5, 8)
↓ 残念ながらYoutube で「Soar」の曲演ってる動画が見つからなかったので、
マリア・シュナイダー・オーケストラでの彼のソロをのっけときます。
Maria Schneider Orchestra Jazz a Vienne 2008 Hang Gliding 2/2