Wayne Shorter / Without A Net / 2013年
ウェイン・ショーター / ウィズアウト・ア・ネット / No,2169
さてドラマー、ブライアン・ブレイ繋がりまだ続く。
これは、2013年のまさしく大御所ウェイン・ショーターのアルバム。
ウェイン・ショーター、そのキャリア、年齢、実力からいってジャズ界の頂点に立つ人だろう。リリース時80歳、ワオッ。
なんだろ、このアルバム、楽しい。
限りなくフリー・ジャズに近いのに、楽しい。
メンバー各自も、観客も、そしてオイラも、みんなが楽しい。
いったいどこからどこまでが譜面、あるいは筋書き、打ち合わせで、アドリブはどこからなのか、渾然一体となった禅問答の世界。
穏やかで、茶目っ気たっぷりで、色気も失わない高僧ウェイン・ショーターとの朗らかな対話。
メンツは、ウェイン・ショーターのサックスに、ピアノにダニーロ・ペレズ、ベースのジョン・パティトゥッチ、そしてドラムのブライアン・ブレイドという布陣。
前半6曲がウェイン・ショーター作、1曲がカヴァー、2曲がメンバー共作。
ウェインの6曲目だけは、“ Imani Winds ” (バスーン、クラリネット、フルート、フレンチ・ホルン、オーボエからなるアンサンブル・ユニット)を加えた凝った曲。
どこを切り取っても申し分なく、聴き応え十分。
手練たちが高僧の手のひらの上で遊んでる風情。
そういえば以前、こんな記事読んだことある。 ↓
“ 個人的に聴いたお気にいりの音楽・ミュージシャンを紹介するブログ、サナコレ ”
Wayne’s World / ウェイン・ショーターの世界 | サナコレ
マクブライドがショーターと共演することになった時に、ショーターはリハーサルじゃなく、リドリー・スコットの映画「エイリアン」を共演者に観させたということです。
共演者みんな意味がわからず困惑していたのですが、映画でエイリアンが宇宙船乗組員の腹を食い破って出てきて金切り声をあげる有名なシーンが流れると、ショーターは立ち上がってVHSテープの一時停止ボタンを押し、「これ!こういう音がこのバンドに欲しい音なんだ!」と言ったとか。マクブライドがどういう反応をしたかは興味ありますねー。
ますます盛んウェイン・ショーター、やはり只者じゃない!
Degree of
Advance / アドバンス度 ☆☆
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度☆☆☆
Poetic / ポエティック度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
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Soprano&Tenor Saxophone – Wayne Shorter
Bass – John Patitucci
Drums – Brian Blade
Piano – Danilo Perez
The Imani Winds
Bassoon – Monica Ellis
Clarinet – Mariam Adam
Composed By – Wayne Shorter
Flute – Valerie Coleman
French Horn – Jeff Scott
Oboe – Toyin Spellman-Diaz
‘Orbits’ Wayne Shorter
Wayne Shorter Quartet – Pegasus (HQ)