試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.030
アヴィシャイ・コーエン・トリオ、イスラエルからの血がピアノトリオの新たな領域を拡張した!
Contemporary Jazz for Exams≪ Introductory Edition ≫ Vol.030
Avishai Cohen Trio / Gently Disturbed / 2008
The Avishai Cohen Trio, a blood from Israel extends the piano trio into new territory!
Avishai Cohen Trio / Gently Disturbed / 2008
Bass – Avishai Cohen
Drums – Mark Guiliana
Piano – Shai Maestro
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
本日は、アヴィシャイ・コーエン・トリオ、2008年の作品。
アヴィシャイ・コーエンは、イスラエル出身のベーシスト。
いまやNY(つまり世界)に一大勢力を築いたイスラエル勢力の先人を切ったパイオニア。
野球で言えば、野茂英雄のような存在だ。
サウンドが明らかに違うことは、聴いてもらえれば一発で分かるハズ。
その強靱なベースライン。
そしてイスラエルの血がなせるのか、エキゾチックなメロディとナチュラルな変拍子、ポリリズム。
これだけの個性を、楽々とジャズのフォーマットに乗せる卓越したセンス。
このアルバムに関しては、ピアノ・トリオながらピアニスト シャイ・マエストロの目立ったソロはあまりない。エキゾチックなメロディラインと扇情的なブロックコードの連続で、それがコーエンの強靱なベースと一体となって曲を盛り上げ駆け抜ける。
もちろんコーエンのソロは、さらに強烈で聴くものを圧倒するし、マーク・ジュリアナのドラミング、そしてソロにも舌を巻く。
アヴィシャイ・コーエンがリーダーということもあるけど、これほどベース音が全面に出た録音もめずらしい。
そして、3者が同等に屹立して怒濤の疾走を見せる音楽は、興奮を呼び起こす。
並外れた牽引力とセンスを合わせもつベーシスト、アヴィシャイ・コーエンがピアノ・トリオの領域を新たに拡張してみせた偉大なる1枚。