ミラーが伝統の中に自らのスタイルを掴んだリーダー・セカンド・アルバム!
Miller’s second album as a leader, in which he grasps his own style in the tradition!
Allison Miller / Boom Tic Boom / 2010年
アリソン・ミラー / ブーム・チック・ブーム
本日も、≪ 現代ジャズドラマー列伝 ≫ アリソン・ミラーの巻で第3弾と参る。
このアルバムは、2010年リリースのミラー・リーダー作。
昨日も書いたようにリーダー・デビュー作はサブスクリプションになく、これはセカンドとなる。タイトル名 “Boom Tic Boom” は、彼女のバンド名として以降使用されている。
メンバーは彼女の他に、
ベテラン女性ピアニスト、マイラ・メルフォードと、
ベーシストのトッド・シッカフース。
それに1曲だけ、バイオリンでジェニー・シャインマンが参加している。
ほぼトリオでの演奏が主体になるのだけれど、
これがガチで力強くぶつかり合ってて気持ちいい。
3人の見せ場はたっぷりだし、力強いベースのシッカフースに負けじと、メルフォードとミラーが一歩も譲らない。
出だしこそ、スピリチャルでエモーショナルなジャズの奔流を感じさせるけど、
次第に自由度を増し、現在のミラー・スタイルに通じるような、広い視野、空間を感じさせる演奏が展開される。
また、バイオリンのシャインマンが加わった楽曲では、活き活きとした躍動感に溢れ、
ミラーが現在のスタイル、個性を早くも掴み取っていたことが如実だ。
ミラーが伝統の中にも自らのスタイルを掴んだリーダー・セカンド・アルバム!
Allison Miller / アリソン・ミラー
– 1974年、テキサス州テキサーカナ生まれ –
母方の家系に音楽家が多い。母親はクラシック・ピアニストで合唱指揮者。祖母はプロのオルガニストで、その妹はプロの歌手だった。アリソンは10歳でドラムを始め、すぐにDCエリアのトップ・ティーチャー ウォルター・サルブに師事。
1991年、彼女はダウンビート誌の “Up and Coming “で特集され、すぐにワシントンDCのクラブで演奏するようになり、やがてウエスト・バージニア大学で音楽演奏の学士号を取得した。卒業後、ニューヨークに移りマイケル・カーヴィンとレニー・ホワイトに師事、フリーランスのドラマーとしてのキャリアをスタートさせた。また、プロデューサー、作曲家、教師としても活動している。アリソンのドラミングと楽曲は、人気TVドラマシリーズ「The L Word」でも使用されている。また、アメリカ国務省よりジャズ大使に選ばれ、東アフリカ、ユーラシア、東南アジアをツアーしている。
個性的で自由度の高い楽曲を好み、比較的シンプルで心地よいドラミング。
オールマイティにどんなスタイルでもしなやかにこなす卓越したセンスが特徴。