織りなされる独自の物語性に、一挙に胸を鷲づかみにされる!
The unique narrative woven into the story grabs your heart in one fell swoop!
Ambrose Akinmusire / The Imagined Savior Is Far Easier To Paint / 2014年
アンブローズ・アキンムシーレ / ジ・イマージド・セービアー・イズ・ファー・イージアー・トゥ・ペイント
Trumpet,Keyboards,Percussion – Ambrose Akinmusire
Bass – Harish Raghavan (Tracks: 2, 4 to 9, 11, 12)
Drums – Justin Brown(Tracks: 2 to 5, 7 to 9, 11)
Guitar – Charles Altura (Tracks: 2, 4, 5, 8, 9, 11)
Piano,Mellotron – Sam Harris
Tenor Saxophone – Walter Smith III (tracks: 2, 5, 7, 8)
Vocals – Becca Stevens (Tracks: 3)
Vocals – Cold Specks (Tracks: 9)
Vocals – Theo Bleckmann (Tracks: 7)
Cello – Maria Jeffers (Tracks: 3, 6, 12)
Flute – Elena Pinderhughes (Tracks: 6, 12)
Viola – Kallie Ciechomski (Tracks: 3, 6, 12)
Violin – Brooke Quiggins Saulnier (Tracks: 3, 6, 12)
Violin – Maria Im (Tracks: 3, 6, 12)
現代ジャズドラマー列伝 ≪ ジャスティン・ブラウンの巻 ≫ 第4弾!
再びアンブローズ・アキンムシーレにもどって、
こちらは2014年のサード・アルバム。
これはね、もう傑作ですよ傑作。
ピアノとのデュオ、1曲目のバラードから意表をついてくる。
こんなの聴いたことない。
2曲目はタイム感覚が狂わされるような、リズムにクラクラ目眩がしそう。
ジャスティン・ブラウンのドラミング、どうなっとるんじゃ!
そして3曲目ベッカ・スティーヴンズの歌声に陶酔。
4曲目、なにこのギターとベースとトランペットのユニゾン、
カッコえ〜といった具合に最初から最後まで、やられっぱなし。
アキンムシーレのトランペットあるいは楽曲は、
テクニック云々(もちろん超絶だ)を超越して、
それらが織りなす独自の物語性みたいなものに、
一挙に胸を鷲づかみにされる魅力に満ちている。
しかし、
3枚目のアルバムで、ここまでの音楽性の進化。
舌を巻くというか、驚きに開いた口が塞がらない。
メンバーの仕事も最高だ。
ギタリストのチャールズ・アルトゥラがめっちゃいい。
アキンムシーレとの息ぴったしだし、このアルバムへの貢献度は大。
ピアノのサム・ハリス、そしてブラウンのドラミングもマーベラス。
3曲に導入されるストリングスのアレンジメントも凄いし、
ボーカル曲も秀逸。
いや〜素晴らしい。
アップテンポの曲は無くて、静かに燃える感じ。
静謐というか崇高というか。
アキンムシーレの世界は、やっぱり十二分に小難しいけど、
とても誠実で真摯で、なによりその吸引力は凄まじい。
全13曲78分、正座して聴けとは言わないけど、
アキンムシーレの静かな炎に身を焦がすのだ。
Justin Brown / ジャスティン・ブラウン
– 1984年、カリフォルニア州リッチモンド生まれ –
ゴスペルのオルガン奏者である母親と、それを支える父親によって幼い頃から音楽に親しむ。10歳のとき、カリフォルニア大学バークレー校のヤング・ミュージシャン・サマー・プログラムでレッスンを受ける。2002年、奨学金を得てユニバース・オブ・パシフィックのデイヴ・ブルーベック・インスティテュートで学ぶ。当時のディレクターはクリスチャン・マクブライド。ヨスバニー・テリーと出会い彼のすすめで2004年にニューヨークのへ移住。ケニー・ギャレット、クリスチャン・マクブライドらと共演、研鑽を積む。
2012年にセロニアス・モンク・コンペティションで2位を獲得。ジェラルド・クレイトンのトリオに参加。アンブローズ・アキンムシーレのグループ、ウォルター・スミス3世のクインテットの常連として活動。また、サンダーキャットなどエレクトリックな音楽でも多方面な活躍をみせる。
複雑なリズムもサラッとこなすパワーとスピードを兼ね備え、ゴスペルに通じるドラムを叩くのが特長。