捨て去ることができなかった音楽への思いと、数学への愛という糸で織られたアンドリュー・ムーアヘッドのデビュー・アルバム!
Andrew Moorhead’s debut album, woven with the threads of a love of music that could not be abandoned and a love of mathematics!
Andrew Moorhead / Interleaved / 2023
アンドリュー・ムーアヘッド / インターリーブ
Piano, Co-producer – Andrew Moorhead
Bass, Co-producer – Marcos Varela
Drums – Ari Hoenig
Mastered By – Nate Wood
原因不明のブログ不通からやっと復活(でも、不明なので再発が心配)!
きょうは、最近の気になるアルバムから。
ピアニスト、アンドリュー・ムーアヘッドのデビュー・アルバム。
じつは、アンドリュー・ムーアヘッドは、こんな人らしい。
14メートルの高さから落下する事故で重傷を負い、約10年間音楽から離れ数学研究に専念していたピアニスト、アンドリュー・ムーアヘッドが復活。リッチー・バイラークも「彼の持つ調和のとれた耳とマインドは素晴らしい、大きな才能だ」とコメントを寄せた、ドラマーのアリ・ホーニグ、ベーシストのマルコス・ヴァレラとのトリオ作品。(diskunion.net)
もちろんオイラは、ドラマーのアリ・ホーニグを追いかけて知ったアルバムだ。
まず、いきなりシンセ・オンリーの電子音に面食らう。未来なのか ?!
2曲目からも、普通ではないアプローチ。か、かっこいい!
ドラムンベース調でもなく、ミニマム、エレクトロの影響が強いフリーな展開。
トーキング・ドラムというか、ドラムで歌うのが好きなアリ・ホーニグならではの、
たんなるリズム・セッションを越えた “アンサンブル” が、感じられるインタープレイ。
4曲目あたりからジャズらしさも感じられる演奏になるけど、
そんな中でのプレイでさえ、
ムーアヘッドの非凡さ、個性というものは、十二分に立際だっている。
マルコス・ヴァレラは、ムーアヘッドと同郷のベーシスト。
彼のよき理解者、共同プロデューサーとして大きく貢献。
多彩な引出しをもつホーニグという協力者を得て、
単なるピアノ・トリオを越えた、非凡なアルバムをつくり出すことに成功している。
このメンバーで、自作もつくって欲しい期待のトリオ。
“Interleaved” とは、コンピュータ用語らしい。
「インターリーブされたデジタル信号は、複数の糸で織られた1つのものである」と、ムーア自信がライナーノーツで語っている。
捨て去ることができなかった音楽への思いと、数学への愛という糸で織られたのが、この作品だ。
Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝
Ari Hoenig / アリ・ホーニグ / No,004
Ari Hoening / アリ・ホーニグ
– 1973年、ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ –
父親は指揮者でクラシック歌手、母親はバイオリニストでピアニスト。6歳のときからバイオリンとピアノを習い始めた。12歳でドラムを始め14歳の時には地元のクラブで若いジャズミュージシャンたちと腕を磨く。フィラデルフィアの高校に進学し、そこで音楽理論や楽器演奏の技術を学び、卒業後NYへ。
メンバーと調和しながらも複雑なリズム、高度なコンビネーションを難なくこなし、誰よりもエモーショナルなプレイスタイルでグループを牽引し、聴衆を虜にする。また、マレットあるいは手や肘を使ったミュート&ベント奏法(トーキングドラムというか、ドラムでメロディを歌う奏法)を得意としており、さまざまな表情を見せるドラミングは圧巻。
数多くのレコーディングに参加し、自身のリーダーとしての作品も精力的にリリース。また教育活動にも力を注いでいる。その高い演奏技術や独自のプレイスタイルによって、現代ジャズシーンで非常に重要な存在である。