試験にでる現代ジャズ ≪入門編≫

Contemporary Jazz for Exams≪ Introductory Edition ≫Vol.037
試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.037
Ben Wendel/Simple Song / 2009
ベン・ウェンデル / シンプル・ソング / No,3277

全然シンプルじゃない、地味な練習曲集のような凄い1枚。
It’s not simple at all, but it’s a terrific piece of sober etudes.

Ben Wendel/Simple Song / 2009

Saxophone, Bassoon, Melodica – Ben Wendel
Bass – Darek Oleszkiewicz
Drums – Nate Wood
Electric Piano, Piano – Adam Benjamin (Tracks: 3, 4, 8, 11)
Piano – Taylor Eigsti (Tracks: 1, 2, 7, 10), Tigran Hamasyan (Tracks: 5, 6)
Guitar – Larry Koonse
++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆
Relaxing / まったり度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆

月曜日は試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫。
サックス奏者でまだ出てない現代ジャズ・キーマンはいなかったかな?と考えて、
この人の名前が出てきたベン・ウェンデル。

このアルバムは、2009年の作品。
メンバーは、ベースがダレク・オレシュキェヴィッチに、ドラムのネイト・ウッド。
ピアノは曲によって3人参加、アダム・ベンジャミン4曲に、テイラー・アイグスティ4曲、
そして先週登場のティグラン・ハマシアンが2曲。
それから、ギタリストのラリー・クーンズという布陣。

アルバム・タイトルが “ シンプル・ソング ” だけど、けっしてシンプルではない。
まあ、懲りまくった構成とかアレンジ、あるいは多重録音や後処理なしということかな。
シンプルなモチーフをメンバーでやっただけ、みたいなニュアンスだろうか。

いきなり1曲目からのけぞる、その名も “ Breath ” !
なにかスケール練習みたいな複雑なメロディを、しかもブレスレスな感じ(循環呼吸?)でウェンデルのサックスが奏でてゆく、それをユニゾンでなぞるピアノのアイグスティ、さらにはギターのクーンズもソロ部で同じことをやる。カッコいい!

よく「現代ジャズのメロディは捉えどころがなくてつまらない」と言われるけど、
これこそ「捉えどころがないのにカッコいい」というお手本

この程度のテクニックは、涼しい顔でやってしまう(実際には知らないけど)というこのメンバー凄い。
(良くも悪くも、熱がないとか言われるワケですが)
コルトレーン、ストレイホーンの2曲の他9曲がオリジナルという構成。

ま〜1番派手なのは1曲目だけど、
非凡ではない曲を、非凡ではないテクニックで、非凡ではないメンバーが、
淡々と平凡な感じ(?)で流してゆく。

ウェンデルは、サックスの他にバスーンまで操り、ネイト・ウッドはかっちり仕事をし、
なんといってもピアノのハマシアン、そしてアイグスティのプレイが光ってる。

地味な練習曲集のような凄い1枚。

RELATED POST