ベン・ウェンデルの生みだす静かで透明な炎、現代ジャズ・サックスの名盤。
A quiet, clear flame created by Ben Wendel, a masterpiece of contemporary jazz saxophone.
Ben Wendel / What We Bring / 2016
Tenor Saxophone, Bassoon – Ben Wendel
Bass – Joe Sanders
Bassoon – Ben Wendel (Tracks: 1, 7)
Drums – Henry Cole
Percussion – Nate Wood (Tracks: 1, 4)
Piano – Gerald Clayton
Written-By – Ben Wendel (Tracks: 1 to 3, 5 to 7)
Arranged By – Ben Wendel
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
きのう紹介のピアニスト、ジェラルド・クレイトンの参加アルバムから
きょうは、2016年のベン・ウェンデルの作品。
これは、大好きなアルバム。
メンバーは、サックスのベン・ウェンデルに
ベースのジョー・サンダース、ドラムがヘンリー・コール。
そして、ピアノのジェラルド・クレイトン。
それに、パーカッションで2曲、ネイト・ウッドが参加している。
オープニングからリズム・セクションが尋常じゃない。
何か違和感を憶えつつも、それがだんだん心地よさに変わってゆく。
新しさとは、つねに違和感とともにやってくる。
シンセあるいは電子音が絡んでもよさそうなリズムなのに、
あくまでもアコースティックで新しい音空間を創りだしているところが新鮮だ。
ほとばしる流れのように峻烈に跳ね駆り立てるようなリズム。
特にヘンリー・コールの瞬発的でうねるドラミング。
その流れを、意に介さぬように優雅に泳ぎ回るウェンデルのサックス。
淡々と流れるようで、ソロに入ると途端にスピードをあげる。
ウェンデルとの絡みも見事なクレイトンも大いに存在感をしめす。
空気に彩りと躍動感をあたえる。
シンプルな構成のバンドから創りだされる音空間は斬新だ。
ウェンデルの生みだす静かで透明な炎。