波に乗ってる!ビリー・チャイルズのアレンジの能力が冴えわたる1枚。2020年の最新アルバム。
Billy Childs / Acceptance / 2020年
Piano, Keyboards, Producer – Billy Childs
Bass – Hans Glawischnig
Drums, Backing Vocals – Eric Harland
Congas – Munyungo Jackson (Track: 3)
Percussion, Backing Vocals – Rogerio Boccato (Track: 1, 4)
Flute, Backing Vocals – Elena Pinderhughes (Track: 1)
Soprano Saxophone, Alto Saxophone – Steve Wilson
Vocals – Alicia Olatuja (Track: 4), Aubrey Johnson (Track: 7)
Backing Vocals – Sara Gazarek (Track: 1)
++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆
ビリー・チャイルズをもう1枚。
きのう紹介の “ Rebirth ” もよかったけど、本作もいい!
ビリー・チャイルズ波に乗っている。
というか中心メンバーのサックスのスティーヴ・ウィルソン、ベースのハンス・グラヴィシュニク、ドラムのエリック・ハーランドは “ Rebirth ” と代わらず。いいチームだ。
前回より、よりブラジル&ラテン・フレーバーが強くなってる。ヴォイス入り曲多し。
1曲目から乾いた変則サンバで、カマしてくる。ピアノとドラムのテンションが堪らん。
大自然万歳なブラジルの雰囲気ともちょっと違う緊張感や憂いを含んでいて、そこが都会的というかカッコよさを生んでいる。フルートで参加は、いまをときめくクリスチャン・スコット・バンドで大活躍のエレーナ・ピンダーヒューズ。
また、3曲目ではエレピ、シンセ、エレキベース、エフェクト多めなちょっとアフロ入ったビートで驚かされる。16分で刻むベースラインにチャイルズのエレピソロ、シビれる。パーカッシブなシンセのバッキングでハーランドのソロ、ずっと聴いていたい。
かと思うと4曲目のヴォーカル曲や、マイルス(いやシナトラか)で有名な美しいスタンダード・バラード “ It Never Entered My Mind ” では、しっとり聴かせる(おっと、これはベースとのデュオ)。緩急のつけ具合をよくわきまえた構成はさすがだ。
ラストの “ Oceana ” もフリーのようなスピリチュアルな魅力をたたえた曲。終わった瞬間ため息が漏れる。
全編を通してチャイルズのアレンジ能力が冴えわたる、じつに気持ちのいいアルバム。
このメンツでのレコーディングは、まだ続きそうだ。