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Carlos Henriquez / The South Bronx Story / 2021
カルロス・ヘンリケス / ザ・サウス・ブロンクス・ストーリー / No.4004

カルロス・ヘンリケス、自らが生まれ育った街のストーリー。
Carlos Henriquez, the story of the town where he grew up.

Carlos Henriquez / The South Bronx Story / 2021

Bass – Carlos Henriquez
Trumpet – Terell Stafford, Michael Rodriguez
Trombone – Marshall Gilkes
Saxophone – Abdias Armenteros
Conga – Marcos Torres
Flute – Jeremy Bosch
Piano – Robert Rodriguez
Drums – Obed Calvaire
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Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆
Melancholy / メランコリー度 ☆☆
Latin Flavor / ラテン度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

きのうは、ゴンサロ・ルバルカバの “ スカイライン ” を紹介したけど、
そういえば今期は、グラミー賞ノミネート作品について触れていなかったことに気がつく。

というわけでグラミー賞ノミネート作で未紹介のものをいくつか挙げていきたい。
(既に紹介のものは、カテゴリーから見られるよ → )

こちらは、グラミー・ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム賞ノミネート作品
カルロス・ヘンリケスの ザ・サウス・ブロンクス・ストーリー。

じつは、この人のことオイラ知らなかった。
ウィントン・マルサリス率いる「リンカーンジャズオーケストラ」のベーシストらしい。
ということは、ラテン専門というわけじゃあなく両刀遣い。

ということで単なるラテンの定番的なアルバムではない。
伝統的な4ビートやコンテンポラリーな空気もあったりする。
インタープレイも見られるし、ラテンらしからぬダークな色調のフレーズやオーケストレーション、アバンギャルドな色彩も入り交じって彼独自の世界を創ってる。

タイトルからも分かるように、
これはブロンクスで育ったプエルトリコ人としての彼自身のストーリーだ。
当然、明るさだけではなく葛藤や挫折やロマンス、あるいは祖先から受け継いだもの、街から受け取ったもの、彼を育んだすべてのものが表現されているに違いない。

消火栓の水で遊んだあの頃。
父親に捧げられた楽曲。
ブロンクスのギャング間の平和を促進したとされるコーネル・ベンジャミンをモチーフにした曲。
ハリケーン・マリアの余波で亡くなった活動家の人生と仕事。
低所得者層向け建物の焼失事件。
ロバート・モーゼスの分裂した遺産。
ブロンクス高速道路の建設などなど。

そんなサウスブロンクスの社会史と自身を重ねたコンセプチュアルなアプローチもグラミー賞は評価しているに違いない。

ちょっと彼の過去作も聴いてみたくなるような素晴らしい出来のアルバムだ。

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