水のなかに静かな抒情が、淡々と美しく揺れる。
Quiet lyricism sways beautifully in the water.
Charles Lloyd / The Water Is Wide / 2000
チャールス・ロイド / ザ・ウォーター・イズ・ワイド
Tenor Saxophone – Charles Lloyd
Bass – Larry Grenadier, Darek Oles (tracks: 12)
Drums – Billy Higgins
Guitar – John Abercrombie
Piano – Brad Mehldau
Producer – Charles Lloyd, Dorothy Darr
Executive-Producer – Manfred Eicher
時代を超えてリラックスをテーマに週末クワイエット。
梅雨入りしましたね。
そんな季節にあう音楽として真っ先に浮かんだのがこれ。
このアルバムは、サックス奏者チャールス・ロイドの2000年の作品。
なんとメンバーがすごい。
ピアノが、ブラッド・メルドーで、
ベースが、メルドーの相方ラリー・グレナディア。
そして、ギターはジョン・アバークロンビーで、
ドラムは、ロイド同様レジェンド、ビリー・ヒギンス。
リーダーであるロイドのペースに合わせて、
終始全員が抑制の効いた静かながらも味わい深い演奏を繰り広げる。
メルドーのピアノも、いつものメルドー節とは違った趣をみせる。
これが、またけっこういい。
アバークロンビーのギターは、もっとも遠慮がちに美しく鳴らされる。
最年長であるヒギンスのドラムが、静かながらももっとも目立っているかもしれない。
タイトル曲は、幾多の名演で知られるスコットランド民謡 “ 悲しみの水辺 ” 。
ロイドのサックスの音色が、アバークロンビーのギターが、メルドーのピアノが、
沁みまくる。
空騒ぎをするでもなく、かといって暗く沈み込むでもなく、
水のなかに静かな抒情が、淡々と美しく揺れるような演奏。
みなさま、よき週末を。