2017年のマスターピース!

Christian Scott aTunde Adjuah / Ruler Rebel / 2017年
クリスチャン・スコット・アトゥンデ・​アジュアー / ルーラー・レベル / No.3152

新たなる帝王クリスチャン・スコット・アトゥンデ・​アジュアー、2017年ジャズ100年を記念しての3部作第1弾!その美しき旋律と先鋭的なリズムの海に漂え!
Drift in the sea of its beautiful melody and radical rhythm of the new emperor, Christian Scott Atunde Adjur!

Christian Scott aTunde Adjuah / Ruler Rebel / 2017年

Producer, Trumpet, Siren, Siren, Flugelhorn, MIDI Controller , Sampler, Written-By – Christian Scott aTunde Adjuah
Flute – Elena Pinderhughes (Tracks: 7, 8)
Bass – Joshua Crumbly (Tracks: 6), Kris Funn (Tracks: 7, 8), Luques Curtis (Tracks: 4)
Djembe, Bata, Congas – Weedie Braimah (Tracks: 1-3, 5, 7)
Drums, MIDI Controller – Joe Dyson Jr. (Tracks: 1-4, 6, 8)
Drums, MIDI Controller – Corey Fonville (Tracks: 1-3, 6-8)
Dunun – Chief Shaka Shaka (Tracks: 1-3, 5, 7)
Guitar – Cliff Hines (Tracks: 1, 4, 6-8)
Piano, Electric Piano – Lawrence Fields (Tracks: 1-3, 5-8)
Producer – Chris Dunn
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

きのう、クリスチャン・スコット・アトゥンデ・​アジュアーの “ ディアスポラ ” を紹介した。
せっかくなんで、今日もクリスチャン・スコットの未紹介アルバムを。

2017年、ジャズ100年を記念してリリースされたクリスチャン・スコット・アトゥンデ・​アジュアーの3部作第1弾がこれ “ ルーラー・レベル ” 。きのうの “ ディアスポラ ” は、第2弾。

クリスチャン・スコット自らの音楽的、文化的なアイデンティティがテーマとなっている。
トラップ・ミュージック(アトランタやヒューストンなどの「サウスサイドのヒップホップ」、スネアの連打やスリリングなベースライン、サイレンやシンセによる派手な電子音で構成され中毒性の高いビートが特長)、西アフリカ音楽、自身のルーツであるブラック・インディアン音楽のリズムの要素が盛り込まれている。

エレーナ・ピンダーヒューズのフルートは、もちろん重要な要素だけど、それ以外はほとんどそぎ落とされ、トランペットがむき出しの先鋭的なリズムの上に流れるような構成になっている。
そして、それが奇跡的に美しい。

重低音のバスドラ(サンプラーなのか、トリガーで鳴らすバスドラか)と、雨あられと降りそそぐリズムは、呪術的というか麻薬的で、いつまでも、いつまでもクリスチャン・スコット・サウンドに身を委ねていたい感覚に陥る。

同じような作りの曲ばかりなのに、飽きることなくひたすら心地いいが、なかでも6曲目 “ Encrytion ” は白眉で、まるで悪魔的な儀式に参加しているような忘我と陶酔の極地を味わうことになる。

新たなる反逆の帝王クリスチャン・スコット・アトゥンデ・​アジュアーのサウンドに心して酔え。


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