デイヴ・ホランド組ついに5管編成へ。
超技巧派集団の俠気あふれるライブ盤。
Dave Holland Octet / Pathways / 2010年
Bass – Dave Holland
Alto Saxophone, Flute – Antonio Hart
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone – Chris Potter
Baritone Saxophone – Gary Smulyan
Trombone – Robin Eubanks
Trumpet, Flugelhorn – Alex Sipiagin
Drums – Nate Smith
Vibraphone, Marimba – Steve Nelson
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Funky / ファンク度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
クリス・ポッター・シリーズは続く。
きのうのデイヴ・ホランド・クインテット2006年 “ クリティカル・マス ” に続く2010年のアルバム “ パスウェイズ ” 。
こちらは第53回グラミー、ベスト・ジャズ・ラージ・アンサンブル・アルバム賞ノミネート作品だ。
クインテット→オクテットということで、5人→8人。
アルト・サックスのアントニオ・ハート、バリトン・サックスのゲイリー・スマリアン、
そしてトランペットで先週も紹介したアレックス・シピアギンが加わっている。
前回の “ クリティカル・マス ” とは違って、ライブということもあり、アンサンブル&迫力重視の布陣なのかな。デイヴ・ホランド組のまた違った顔が楽しめる。
ライヴでもやっぱりデイヴ・ホランド組みはクールな印象だな、て思いながら聴いてると2曲目のアントニオ・ハートのソロ辺りから様子が一変。ネイト・スミスに着火、ハートのソロも燃え上がり、スミスのソロ、いいぞ!
全編通して、相変わらず非常に幅のある曲展開、そして変拍子の嵐。
重量級のアンサンブル、そして多彩なアレンジ。
スタジオ盤と違って、ホランドのベースラインは終始、くっきりと全員をリードするようにグルーヴする。
そして、スミスのドラミングにニンマリ。各自のソロにも言葉を失う。
とんでもないバリバリの技巧派集団だけど、
速さやキメだけで攻めるワケではなく、ホランドの老練さとインテリジェンスに満ちている。
5管体制とはいえ、ふつうのラージ・アンサンブルとはまったく違った空気であるところが、デイヴ・ホランドらしさ、このグルーブの魅力かな。
全曲オリジナルで、スタンダードなし、俠気あふれるホランドのオクテットなり。