Saxophon player's albums

教え子のギターを大きくフューチャーしたデイナ・ステファンズ最新作!

Dayna Stephens / Closer Than We Think / 2024年
デイナ・ステファンズ / クローサー・ザン・ウイ・シンク

Saxophones – Dayna Stephens
Guitar – Emmanuel Michael
Bass – Kanoa Mendenhall
Drums – Jongkuk Kim
Trumpet – Jeremy Pelt (track 6)

きょうも最近のアルバムから1枚。
デイナ・ステファンズの最新作は、ギタリストを抱えたカルテット。
彼にしては(失礼)、明るめのジャケットが印象的だ。

メンバーは、
ギターがエマニュエル・マイケル、
ドラムが、キム・ジョングク、
ベースは、カノア・メンデンホールという若いメンツ。

ギターのマイケルとベーシストのメンデンホールは、スティーブンスのかつての教え子で、
韓国出身のドラマー ジョングクも彼らと同世代。
ゲストとしてトランペットのジェレミー・ペルトが1曲だけ参加している。

全編を通して内省的な曲調が多く、派手さはないけど、
なかなかに滋味深く、カルテットとしてのインタープレイが味わい深い。
やはりコードワークを支配するマイケルのギターの存在感が実に大きく。
マイケルとスティーブンスの双頭アルバムと言っても良いような出来だ。

スティーブンスは、その実力の割にわりと寡作な人だと思っていたけど、

スティーブンスは決して楽な人生を送ってきたわけではない。2015年に腎臓移植を受けるまで、希少な腎臓病で何年も透析を受け、今でも普通の人なら些細な刺激で済む感染症が、彼にとっては入院を意味する。(jazzviews.netより抜粋)

ということらしい。
腎臓といえば、ロイ・ハーグローヴを思い出すが、デイナ・ステファンズには長生きしてほしい。

オープニングナンバー “Bubbly”、
シンプルなスローナンバー “Ryland”、
ペルト参加の “E.S.P.” や、
スティーブンスがEWI、マイケルがアコギで迫る “Bach Home” など、
なかなかグッと来る展開だけど、
全編を覆う浮遊感たっぷりのマイケルのギターと、
それに絡むステファンズのサックスの音色が何とも魅力的な1枚だ。

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