予想を裏切るクールで美しいラテン名曲集。
A cool and beautiful collection of Latin masterpieces that defy expectations.
Edward Simon / Latin American Songbook / 2016
Piano, Arranged By, Liner Notes – Edward Simon
Bass – Joe Martin
Drums – Adam Cruz
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Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Nostalgic / ノスタルジック度 ☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Relaxing / まったり度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
先週は、キューバのドラマー、ダフニス・プリートを何枚かやったんで、
今週は非ラテンでいこうかなと思っていたけど、
週末にミュージカル映画「イン・ザ・ハイツ」を観たもんで、
いっそうオイラの中のラテンの血(流れていない)が騒いで、
きょうも、そっち系の人に。
ダフニス・プリート同様ラテンとコンテンポラリーのハイブリッドで、
ラージアンサンブルまで手がける人、
と言えばベネズエラ出身のピアニスト、エドワード・サイモン。
今日のアルバムは、2016年のその名も「ラテン・アメリカン・ソングブック」。
自らのルーツを見つめ直したラテンのスタンダード曲集。
いきなり超有名曲ピアソラのリベル・タンゴで幕を開ける。
これが、カッコいいのなんの。
ドラマー、アダム・クルースの倍に刻むシンガルレガートに惚れる。
3・4曲目の7拍子、途中でのリズムチェンジ、ドラムソロが輪をかける。
バラードでのベース、ジョー・マーチンの存在感もグッド。
もちろん、主役エドワード・サイモンのピアノの流麗さ、繊細さには脱帽。
アルバム・タイトルから想像するバリバリなラテンではなく、
いい意味で期待を裏切られる内容。
スタイリッシュで、モーダルで情感たっぷりながらも
抑制の効いたバランスと美しさに満ちている。
ラストチャーリー・ヘイデンの名演でも知られる “ 世界の果てに ” でしめてパーフェクト。