イタリアの至宝エンリコ・ピエラヌンツィが選りすぐりのメンツとドラムレスで創りだす美しき世界。ダニー・マッキャスリンのプレイにまた驚く。
Enrico Pieranunzi / Proximity / 2013年
Piano – Enrico Pieranunzi
Bass – Matt Penman
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone – Donny McCaslin
Trumpet, Cornet, Flugelhorn – Ralph Alessi
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
月曜、火曜とデンマーク勢+USからの客演というアルバムをお届けしたので、本日も似たようなパターンでいこうかな。本日は、イタリアン・レーベル “ C.A.M. Jazz ” +客演。
きょうのアルバムは、ピアニスト、イタリアの至宝エンリコ・ピエラヌンツィにUSからベースのマット・ペンマン(ニュージーランド出身だけどUSが主戦場)、サックスのダニー・マッキャスリン、そしてUS出身、主にヨーロッパで活躍のトランペット、ラルフ・アレッシというメンツ。
お分かりだろうか、ドラムがいない。それってどうなの ?! と思いきや、けっこう楽しめた。
まず、なによりもベースラインが聴き取りやすい。名手マット・ペンマンの動きがよく分かるのは、楽しい。そして、トランペットとサックス2管の美しさが際立つ。
それにしても、アレッシのトランペットの美しさ。そしてマッキャスリンの、このスムースなこのスタイル。正直こんなプレイも演るんだマッキャスリンと驚く。
ピエラヌンツィのピアノをガッツリ聴きたい人には、ちょいもの足りないかもだけど、全作ピエラヌンツィ作曲で、うち半分がこのメンツのための書き下ろしなんで、今回は2人を前面におした作風でいこうという意図なんだろう。
室内楽的なクリアな響きながら、がっつりコンテンポラリーだし、バラエティある作風で飽きさせないようなつくりになってる。
各自のやりとりと美しい楽曲が相まって、豊かでおだやかな時間が醸成される。さすが、ピエラヌンツィ。