本国ではマドンナやレディオヘッドと並んでチャートの上位に喰い込んだE.S.T.のデビューアルバム。
Debut album by the Esbjörn Svensson Trio. In their home country, the trio has become a top chart topper along with Madonna and Radiohead.
Esbjörn Svensson Trio / When Everyone Has Gone / 1993
Piano, Electric Piano, Synthesizer – Esbjörn Svensson
Bass, Whistle – Dan Berglund
Drums, Percussion, Vocals – Magnus Öström
Composed By – Esbjörn Svensson (Tracks: 1 to 3, 5 to 11), Victor Young (Tracks: 4)
Arranged By – Esbjörn Svensson Trio
++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Melancholy / メランコリー度 ☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆
せっかくなんで今日も、e.s.t.ことエスビョルン・スヴェンソン・トリオの過去作を紹介。
今日のアルバムは、1993年の記念すべきデビュー・アルバム。
(デビュー時のグループの正式名称はエスビョルン・スヴェンソン・トリオ)
ちょっとね聴いてビックリするよ。
スタイルの違いではなく、その上手さに。
スタートしてすぐに、キース・ジャレットが3人して大好きなんだな、というのがよく分かる演奏。チック・コリアやビル・エヴァンスもかいま見える。
しかし、よく聴くとエレピやシンセをうっすらと被していたりして、いろんな可能性を試していたのが分かる。
よく言われているような純然たる抒情派というよりは、これという方向性がまだ見いだせないでいるだけなのかな、と思ったり。
純ジャズ(うへっ!変な言葉)とか抒情派というよりも、ちょっとフュージョンの香りがする。
というか、上手すぎて何でもこなせる3人なんだと思う。
もちろんファンクネスは存在しないけど、
どこまでも透明感と鈍色の空のような淡い乳白に近い空や、
どこまでも冷たい北極海(もちろん見たことない)を想像するサウンド。
適度にスタンダードを混ぜながら、この路線で十分人気には、なったんではなかろうか。
(でもやっぱり、e.s.t.での世界的人気までは、いかなかったろう)
90年代初頭、すべてのジャズ・メンは、方向性で悩んでいたんだと思う。
ピアノ・トリオとしてキース・ジャレットの後を追っても仕方ないし。
ましてや、まだブラッド・メルドーだってデビューしていない状況が、93年なのだから。
そんな視点で見ると、エスビョルン・スヴェンソン・トリオは、
やはり突出した存在だったと思われる。
なんせ、3人とも流麗で、クリアで、力強く、よく歌い、よく跳ねている。