楽器としてメンバーと対話するパーラトのヴォーカルは、現代ジャズの象徴!
Parlato’s vocals, which interact with the members as an instrument, are a symbol of contemporary jazz!
Gretchen Parlato – Live in NYC: BUTTERFLY
Gretchen Parlato / Live in nyc / 2013年
グレッチェン・パーラト / ライブ・イン・NYC
Vocals, Percussion – Gretchen Parlato
Bass, Voice – Burniss Earl Travis II (tracks: 1-2, 1-7 to 1-9, 2-3, 2-4)
Bass, Voice – Alan Hampton (tracks: 1-1, 1-3 to 1-6, 2-1, 2-2)
Drums – Kendrick Scott (tracks: 1-2, 1-7 to 1-9, 2-3, 2-4)
Drums – Mark Guiliana (tracks: 1-3 to 1-6, 2-1, 2-2)
Piano, Keyboards – Taylor Eigsti
本日は、UKからぽ〜んと飛んで、
現代ジャズドラマー列伝 ≪ ケンドリック・スコットの巻 ≫ 第6弾、
& ≪ マーク・ジュリアナの巻 ≫ 第5弾!
今日の作品は、
2021年のドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の挿入歌、「All The Same」を歌ったことでジャズファン以外にも名を知らしめ、マーク・ジュリアナのパートナーでもあるグレッチェン・パーラトのライブアルバム。
このアルバムがおもしろいのは、ライブを2組のリズム隊でおこなってる点。
ベース:バーニス・アール・トラヴィス2世
ドラム:ケンドリック・スコット
の組と、
ベース:アラン・ハンプトン
ドラム:マーク・ジュリアナ
の組。
そして、ピアノはいずれもテーラー・アウグスティ。
彼がキーマンだね。
いきなりハービー・ハンコックのバタフライ。
ささやくようなスキャットで静かに始まりリズムが加わってゆく、
しびれる。
どの曲も、リズム隊の違い、特にドラムの違いに耳をそばだててしまう。
グレッチェン自身も、その違いを楽しむように歌い分けを楽しんでいるのだろう。
以前グレチェンの紹介で書いたけど、
「ボビー・マクファーリンやアル・ジャロウ、ジョアン・ジルベルトのように、みずからの声をパーカッションや楽器のように操るヴォーカリストからの影響は大きい」という彼女。
このアルバムは、従来のジャズヴォーカルアルバム、歌い手さんとバックバンドという型から、
ヴォーカルという楽器を中心としたカルテットというスタイルに大きく変化してる。
歌唱法からして、彼女の声は完全に楽器だ。
選曲も、いわゆるボーカル・スタンダードではなく、
楽器のプレーヤーが選ぶような曲がチョイスされ、
聴いてるこちらも、ニヤリとしてしまう。
それにしても素敵なライブ。
こんな現場に立ち会えたらシアワセだな。
うっとり聴き惚れて時を忘れる絶品、大推薦。