ラヴィ・コルトレーン&マシュー・ギャリソンと、それぞれの父と共演経験ある御大ジャック・ディジョネットが、がっぷり組んだECM的傑作!
Ravi Coltrane, Matthew Garrison, and Jack DiJohnette, who has performed with each of their fathers, have teamed up to create an ECM-like masterpiece!
Jack DeJohnette, Ravi Coltrane, Matt Garriso / In Movement
Drums, Piano, Percussion – Jack DeJohnette
Bass, Electronics – Matthew Garrison
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, Sopranino Saxophone – Ravi Coltrane
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
レジェンダリー・シリーズ ≪ジャック・ディジョネット≫編、そろそろ大詰め。
きょうは、2016年の作品。
これは、オイラが近年のディジョネットの作品の中で、最も好きな作品だ。
ラヴィ・コルトレーンは、言わずと知れたジョン・コルトレーンの息子。
そしてマシュー・ギャリソンは、コルトレーンの黄金カルテットを最後まで支えた名ベーシスト、ジミー・ギャリソンの息子だ。
サックスとベースとドラムという組みあわせと聞くと、サックスが中心のゴリゴリのトリオを想像するけど、それとはちょっと違ってる。
まず演奏内容自体が、
フリーっぽいけどフリーじゃなく、
3人の織りなすインタープレイが空間を創っていくおもしろさに溢れ、
音響的でありアブストラクトでありインスタレーションのようでもあり、
3人の発する音と静寂が美しくも溶けあう芸術、
まさしくECM的な魅力に満ちている。
特にマシュー・ギャリソンは、
多弦ベースを使いこなしギターのようなコードワークでも流れを創り、
サンプラーの電子楽器も使って全体をまとめてゆく。
かといって隙間なく重ねた音作りではなく、
3人が動き回る余白を十二分に残した必要最低限の音で、
従来のトリオとはまったく異なる空間を作り出してる。
ディジョネットもピアノで貢献する曲もあったり、
持ち前の世界観と、特に目新しいアプローチも見せてくれる。
あまりECM的な作品とかフリーに近いものは敬遠するオイラだけど、
この作品は別格で、特別お気に入りの1つだ。
1曲目のジョン・コルトレーン “ Alabama ” からシビれ、
以降3人が創りだした新たな世界に聴き入って1枚があっという間だ。
過去から未来へと継承され、さらに研ぎ澄まされた音世界。
すばらしいジャケット・デザインと相まって特別な1枚だ。