Pianist and Keyboard player's albums

Jacob Mann Bigband / Greatest Hits, Vol. 1 / 2016
ジェイコブ・マン・ビッグバンド / グレイテスト・ヒット・Vol. 1 / No.4183

LAに誕生した新たなラージ・アンサンブルの可能性。
The possibility of a new large ensemble born in LA.

Jacob Mann Bigband / Greatest Hits, Vol. 1 / 2016

Piano, Synth – Jacob Mann
Alto Saxophone – Alekos Syropoulos(soloist – track 1), Max Bryk
Tenor Saxophone – Amber Navran, Stephen Taylor
Baritone Saxophone – Tim McKay
Trumpet – Mitchell Cooper, Gabe Martin, J.J. Kirkpatrick, Andris Mattson
Trombone – Erik Hughes, Jon Hatamiya (soloist – track 2), Jonah Levine, Sean Shackelford
Bass Trombone – Jake Kraft
Guitar – Colin Cook
Bass – Brian Ward
Drums – Louis Cole
Composed, Arranged, and Produced by Jacob Mann
++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Funky / ファンク度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

さて今日もラージ・アンサンブル参ります。
今日は若手LAキーボーディスト、
ジェイコブ・マンによるビッグ・バンドのデビュー・アルバム。

デビューだというのに「グレイテスト・ヒット」とはまた、人を食ったネーミング。
しかも「Vol. 1」ですから……。

これが、なかなかオモシロい。
いきなりリズムが今っぽい。
ドラムだけではなくホーンセクションまでもが、ドラムとシンクロするようなヒップホップ世代のリズムを刻む。

ボブ・ミンツァーやサド・ジョーンズのオーケストレーションや和声法に大きな影響を受けたと本人が語っている。なるほどボブ・ミンツァー譲りのLAの明るさみたいなものがある。

またマリア・シュナイダー・オーケストラのような開放感や自由さもあれば、
シンセやシンセベースを組みあわせるザヴィヌルちっくなところもある。

そっか、もっと言えばスナーキーパピーに近いかもしれない。
スナーキーパピーからあの分厚さとファンク濃度を少し引いた感じ。

つまり、今どきな伝統から革新までを一通り体感した
ミクスチャー・ラージ・アンサンブル世代とでも言おうか。
なかなか、楽しい。

LAの超人的マルチ・アーティスト/ドラマーのルイス・コール、サム・ゲンデルとのコラボレーション作も記憶に新しいサム・ウィルクスをはじめ、LAジャズ・シーンの屋台骨とも言うべきドラマー、クリスチャン・ユーマン、さらには世界的な評価を確立したネオソウル・バンド、ムーンチャイルドのメンバー3人 (ナヴラン、マックス・ブリック、アンドリス・マットソン) がホーン・セクションとして参加しているほか、ルイス・コールのライブ・サポート・メンバーやYouTubeで話題になった一軒家セッションで演奏しているメンバーも多数顔をそろえ、今のLAシーンを象徴するような一枚に。(pointed.jpより参照)

ということらしい。
ジェイコブのピアノが先導、ギターやキーボードぽいようなホーン・セクションのラインが、印象的。
ポップで軽快で自由で何でもあり。
LAという風土と音楽環境が生みだした新たなラージアンサンブルの可能性、ジェイコブ・マン・ビッグバンド。

RELATED POST