ブルー・ノートのヤング・ライオンズ!いや、鬼殺隊 五感組か ?!
ジュエル・ロス堂々のセカンドアルバム、全集中で聴け!
彗星のごとく表れた気鋭のヴィブラフォン奏者ジュエル・ロスのセカンドアルバム。今回も前回とほぼ同じメンツだ。(衝撃のファースト・アルバムはこちら ↓ )
ただし、ベースが横浜生まれカナダ育ちのカノア・メンデンホーに交代している。1人を除いてまだ4人は20代という若きクインテット、まさしくブルー・ノートのヤング・ライオンズ。加えてゲストでハープ奏者ランディ・ヤンガーが参加している。
出だしは室内楽、クラシカルな響きさえ感じさせるおだやかな出だし。現代的なMJQ。それ以降も全体的に抑えたトーンで、さしずめ静かな炎。
ジュエルとサックスのイマニュエル・ウィルキンス(こちらもブルー・ノートで本年リーダー・デビュー。↓ )
を中心にしたこのクインテットの特徴は、とにかく5人の有機的な動きだ。
いつでも全員がポリリズミックに連携してて、それは魚の群れが俊敏に動く様を見ているようだ。
まさしくインタープレイてことなんだけど、その言葉から連想されるこれまでのいろんなジャズ・ミュージシャンの奏でるものとは全く別なサウンドが聴こえ、格段に複雑に進化した新たなジャズの息吹を感じる。
もう、こちらの耳もついていくのが大変だけど、目眩がするほどの動きになにかマゾスティックな歓びさえも感じてしまう。
特に今回の全体を覆う暗めのトーンは、今の空気を映し出したものかもしれない。華やかな色ではないのに美しく、揺れる炎のように静かな熱が波のように押しよせては引いてゆくジュエル・サウンド。ランディ・ヤンガーのハープがまたベストなマッチング。
楽曲は、15曲中オリジナルが11曲。あとはコルトレーンにアンブローズ・アキンムシーレ、エミリー・キング、ジェレミー・ダットン。
比較的後半は、ついてゆきやすいシンプル(あくまで彼らとしては)な構成でリラックス、抜かりなし。
聴けば聴くほど素晴らしく、その緻密な奔放さに嘆息する。
これまた、間違いなく本年を代表する1枚と言える。
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆
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Vibraphone – Joel Ross
Alto Saxophone – Immanuel Wilkins
Bass – Kanoa Mendenhall
Drums – Jeremy Dutton
Piano – Jeremy Corren
Harp – Brandee Younger