セオ・クロッカーを擁して聴かせるジョーイ・アレキサンダー、二十歳のカルテット!
Joey Alexander, a twenty-year-old quartet heard with Theo Crocker!
Joey Alexander / Continuance / 2023年
ジョーイ・アレキサンダー / コンティニュアス
Piano, Electric Piano, Mellotron – Joey Alexander
Bass – Kris Funn
Drums – John Davis
Trumpet – Theo Croker (Tracks: 1,2,3,5)
きょうは、ついに20歳を迎えたバリ島生まれのピアニスト、ジョーイ・アレキサンダーのアルバム。
前作では、クリス・ポッターとの共演を果たした彼だが、今回はトランペットのセオ・クロッカーと演っている。
他のメンバーは、ベースのクリス・ファンと
ドラムが、ジョン・デイヴィスだ。
この2人とは、すでにチームを組んで4年というアレキサンダー。
コンビネーションもバッチシ。
まず、リズム隊のこの2人が素晴らしい。
骨太なベースラインに、思い切りコンテンポラリーなリズムを叩き出すデイヴィスが生み出すグルーヴがカッコ良すぎる。
いい意味で力の抜けたようなアレキサンダーの演奏。
ころころと転がるフレーズを交えて、自分自身のプレイを楽しんでいるような余裕さえ感じさせる。
もちろん、貫禄のセオ・クロッカーのプレイは素晴らしい。
彼の入った4曲は、やはり抜きん出て聴かせてくれる。格好よし。
セオの曲の合間には、一息つくようなミドルテンポの美しいバラード。
意外だったボニー・レイットの “I Can’t Make You Love Me” がまた良くて、
そして、ゴスペル曲 “Great is thy Faithfulness” が胸を突く。
ラストのフルート(のような音)は、クロッカーではなく、
アレキサンダーのメロトロン。
いや、なかなかどうして聴かせるアルバム。
激しい激情や、熱い応酬ではないけど、
抑制の効いた中にも、こみ上げる思いと憂い。
いや〜いいピアノ弾くようになったな。そしていいカルテットだ。
アレキサンダーの音楽への挑戦、追求はまだまだ続く!