Brian Blade / ブライアン・ブレイド

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Jeff Ballard / ジェフ・バラード/ No,007
Brian Blade / ブライアン・ブレイドNo,005

レッドマン&イエール・コンビが放つファンクな野心作。なんとレッチリのフリーまで参加!
Funky and ambitious work by the Redman & Yale duo. What a surprise, even Flea of the Red Hot Chili Peppers participated in this album!

Joshua Redman Elastic Band / Momentum / 2005年
ジョシュア・レッドマン・エラスティック・バンド/モメンタム

Saxophone, Keyboards(Tracks: 3) – Joshua Redman
Bass – Flea(Tracks: 5, 10, 11), Meshell Ndegeocello(Tracks: 7 )
Drums – Brian Blade(Tracks: 3, 5, 6, 7, 10, 11), Jeff Ballard(Tracks: 1, 2, 4, 8, 9, 13), Questlove(Tracks: 12)
Guitar – Eric Krasno(Tracks: 7), Jeff Parker(Tracks: 6), Kurt Rosenwinkel(Tracks: 9), Peter Bernstein(Tracks: 12)
Keyboards – Sam Yahel
Trumpet – Nicholas Payton(Tracks: 12)
Vibraphone – Stefon Harris(Tracks: 8, 9)
Producer – Joshua Redman, Sam Yahel

現代ジャズドラマー列伝、
本日は、 ≪ ジェフ・バラードの巻、第7弾 ≫、
& ≪ ブライアン・ブレイドの巻、第5弾 ≫ でもある。

バンド名を ” Joshua Redman Elastic Band ” 。
“Electric Band” ならぬ “Elastic Band” = ゴムバンド、シャレなのかな。

オルガン&ピアノ奏者のサム・ヤエルとのタッグだ。
全13曲中9曲は、ベース・レス(サム・ヤエルが鍵盤でのベースを担当)だけど4曲ではベーシストを導入。
ミシェル・ンデゲオチェロが1曲と、なんとあのレッチリフリーが3曲弾いている。

さらにギタリストも4曲で投入している。
エリック・クラズノ、ジェフ・パーカー、カート・ローゼンウィンケルそしてピーター・バーンスタインと4人を招聘。

ドラムもブライアン・ブレイドが6曲叩き、ジェフ・バラードも6曲担当。
そしてなんとヒップホップ ” ザ・ルーツ ” のドラマー クエストラヴまで呼んじゃってる。

さらに、トランペットのニコラス・ペイトンにヴィブラフォンのステファン・ハリスまで。
なんと豪華なラインナップ。

Elastic ” での手応えをさらに発展させたカタチというよりも、
ジョシュア・レッドマンのノンサッチ・レーベル移籍に際して、
本人もレーベルも力入り過ぎちゃった感が、大アリだ。

だって、レッチリ・フリーとピーター・バーンスタインが共演している光景を想像してみて?
いやいや、想像つかないよね普通。

内容の方は、なんとなく想像できるかもだけど、かなりファンク味強めだ。
どの曲でもドラムとベースの音が前面に出ていて楽しい。

オイラ的には、カート・ローゼンウィンケル、ミシェル・ンデゲオチェロのプレイがグッとくるけど、トリオでのプレイもカッコいい。

やはり、サム・ヤエルのプレイが白眉。
シンセ、オルガン、エレピでのベース・ワークがとにかくクールでカッチョいい。
そして、ただでさえ多彩な技のレッドマンは、エフェクターなど電気的な処理を通すことで、さらなる表現の幅を手に入れ振り切れてる。

『現代ジャズドラマー列伝』的には、
ブレイドとバラードのドラミングの違いを、
さらにジャズ畑ではないクエストラヴとの違いを聴き別けるのも一興で。

鉄壁のリズムワークと退屈を許さぬ技の冴え。
さらにただのファンクにとどまらぬアレンジの素晴らしさ。
そうそうたるメンツとレッドマン&イエール・コンビが放つファンク・ジャズは、
成層圏を突き抜けるたのしさだ!

クエストラブ × ジョシュア・レッドマン( On Keyboards )

Jeff Ballard / ジェフ・バラード
– 1963年、カリフォルニア州サンタクルーズ生まれ –

14歳でドラムを始め、カブリヨ・カレッジで音楽理論を学び、多くのバンドとツアーしながらドラムへの独自のアプローチを開発した。24歳の時、8ヶ月間レイ・チャールズのビッグバンドに参加。1990年にニューヨークに移り、ベン・モンダー、カート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、ベン・アリソンとコラボレーションを始めた。2005年にブラッド・メルドーが、スペインに戻ることを計画していたホルヘ・ロッシーの代役としてジェフを自身のトリオに招聘する。
レコーディング・セッションやツアーの共演者は、チック・コリア、パット・メセニー、ジョシュア・レッドマン、カート・ローゼンウィンケル、などなど。マーク・ターナー、バラード、ラリー・グレナディアを擁するFly Trioの共同リーダー、自身のグループ、ジェフ・バラード・トリオさらにジェフ・バラード・フェアグラウンズと幅広い活動で知られる。
非常に多彩で、様々な音楽ジャンルに対応できるドラムスタイル。緻密に演奏することができる一方、フリーなアドリブ演奏も得意で強いグルーヴ感や独特なリズム感がある。ドラムセットのセッティングにも独自性が強く、様々なドラムセットやシンバル、そして世界中の民族楽器を使用しカスタマイズしている。

Brian Blade / ブライアン・ブレイド
– 1970年ルイジアナ州シュリーブポート生まれ –

9歳でヴァイオリンを始める。教会でゴスペルに親しみドラムを担当していた兄の影響で中学でドラムを始めた。
高校時代、ドーシー・サマーフィールド・ジュニアに師事し、コルトレーン、パーカー、マイルス、ブレイキー、モンク、エルビン・ジョーンズ、ジョニ・ミッチェルの音楽に傾倒。18歳でニューオーリンズに移り住み、ロヨラ大学に入学。1988年から1993年にかけてエリス・マルサリス等のニューオーリンズ在住の有名ミュージシャン達とセッションを交わす。
ジョシュア・レッドマン、ケニー・ギャレットのサイドマンとしてデビュー。
ジャズ・シーンの精鋭のみならず、ロック界の大御所のレコーディングにも参加。
1997年「ザ・フェロウシップ」バンドを結成し、2000年に入ってウェイン・ショーターのカルテット加入。2009年にはチック・コリアのグループまたトリオに参加。現在、最も多忙なジャズ・ミュージシャンのひとりとして世界を飛び回っている。
また、ジョニ・ミッチェルやノラ・ジョーンズなどヴォーカリストのパートナーとしても信頼が厚い。
しなやかで歌を感じさせるドラミング。
高度なテクニックを持ちながらも溢れる感性で常に全体のサウンドを考えたプレイに徹するスタイル。ドラマーというより音楽家としての姿勢が真摯で、何より楽しそうにプレイするその姿は、バンドメンバーばかりか聴衆を魅了して一つにしてしまう。

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